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2025年1月17日

「だれもが救われない」もキツイが「私だけ救われない」もキツイ


 何度かこのブログでもとりあげてきましたが、昨年6月に改定入管法が施行され、監理措置制度というものがスタートしました。この新制度のもとで起きつつある重大な問題については、以下の記事などに書きましたので、ここではくり返しません。


支援者を人権侵害の共犯者にする 監理措置制度のやばさ(2024年11月10日)


 今回の記事では、この新しい制度の問題の本質ではないけれど、収容されている人への心理的影響として、気になっている点をちょっと書きます。

 新しい入管法のもとで、収容を解除するための制度が2つ併存することになりました。新たに創設された「監理措置」と、従来からある「仮放免」の2つです。

 法改定をへて仮放免は制度として残りましたが、入管庁は、新たな制度である監理措置を、被収容者の収容を解除するための原則的な手段と位置づけています。で、上のリンク先の記事でもふれましたが、入管の職員は仮放免は重病などの被収容者に例外的に適用すると案内しています。

 私が被収容者との面会活動をしている大阪入管では、監理措置のほうは申請すればほとんど許可されているという状況です。上にリンクを貼った記事では、この監理措置という制度が、これによって収容を解かれれる人(被監理者)にとっても、その監視役をになわされる民間人(監理人)にとっても、また入管法改悪前から仮放免されている人たちにとっても、問題の大きい制度だということを述べました。しかし、入管にとってみれば、この新しい措置を早く定着させたいというような思惑があるのでしょうか。大阪入管では、家族などを「監理人」に立てて監理措置を申請した被収容者は、ほぼほぼすべて許可されて収容を解かれています。新法施行後6か月ぐらいたった現在、すくなくとも20名以上の被収容者が監理措置によって収容を解除されているはずです。

 ところが、「監理人」の引き受け手がみつからない被収容者は、監理措置を申請できません。とくに、入国しようとして空港で拘束された難民申請者は、日本に人脈などまったくないという人も当然多いわけです。こういった被収容者たちについては、従来は、支援者や弁護士が身元保証人を引き受けて、仮放免を申請して収容を解かれるということが多くありました。しかし、さきにみたように仮放免は重病などの場合にのみ例外的に適用するという方針のもとでは、支援者や弁護士を保証人に申請しても、許可される見込みはない。

 というわけで、入管が仮放免を重病者のみに適用するという方針をあらためないかぎり、こうした人たちは収容を解かれる可能性はない、という状況に置かれるのです。

 身体拘束から解放される見通しがないということ自体、本人にとって絶望的なものでしょう。さらにこれにくわえ、おなじ施設に収容されている人たちで監理措置を申請した人はつぎつぎと出所していくという状況は、この絶望感をますます深めているようにみえます。まわりの人たちは、収容期間が3か月とか4か月ぐらいでみんな出ていくのに、自分はここに残され外に出られない、というわけです。

 長期収容ということであれば、2018~19年ごろ(新型コロナウイルスの感染拡大問題で、全国の入管施設が仮放免措置により収容人数を減らすようになった2020年以前)のほうが、現在よりもひどかったとは言えます。このときは、仮放免許可がほとんどまったくと言ってよいほど出なかった。3年をこえるようなすさまじい長期収容が常態化し、4年超という人もめずらしくなかった。そうしたなか、命がけでのハンストや自傷行為があいついだということは、当時よく報道もされていたとおりです*1

 現在は、6か月をこえるような長期収容は少なくなってはいます。しかし、入管が仮放免についていまの方針を続ければ、監理措置を申請しない/できない人の収容はまちがいなく長期化していきます。そして、監理措置を申請した人が半年たたずに解放されていくいっぽうで、収容施設に取り残されてしまう人は自身の不遇さをいっそう痛切に感じずにはいられないでしょう。かつての「だれもが解放されない」という状況における絶望感もすさまじかったはずですが、「解放される人もまわりにいるのに、自分だけ取り残されてしまっている」という不遇の感覚が心身をむしばむ影響は、けっして軽視できないほど深刻です。

 私が危惧するのは、2019年ごろとは状況にちがいがあるとはいえ、現在も当時におとらず被収容者の自死や自傷行為を引き起こしかねない危険性が高まりつつあると感じられることです。収容されている人と面会しながら、ここ数か月で私が強くいだきつつある危機感です。人間を監禁しその自由を奪うということが、どれほどその人の心身に対し破壊的にはたらくのか、軽く考えてはなりません。

 その危機感を共有したいという思いもあっていまこの文章を書いているのですが、今週末(1月19日(日))には、「改悪入管法撤廃!」などをテーマに、全国各地でデモやスタンディングなどのアクションがおこなわれます。私は、大阪でのアクションに参加して、監理措置への反対などの声をともにあげようと思います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1.19 全国一斉アクション

改悪入管法撤廃!

人命、人権よりも送還優先の

「送還一本やり方針」を許さない!


日時:1月19日(日曜)
場所:仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、広島、高知、福岡など
※各地の開催情報は、
ご確認ください。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

大阪は、
集合場所:中之島公園女神像前
集会:13:00~
デモ行進:14:00出発
(デモのゴールは西梅田公園)














*1: 大村入管センターでは、通算3年半にもおよぶ超長期にわたり収容されていた人が、ハンストのすえ餓死するという事件が、2019年6月に起こっている。入管がこの人のハンストを放置して見殺しにしたこと、また、事件後も入管が反省せずに送還強硬方針を維持し、2021年3月に名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件を引き起こしたことについては、以下の記事を参照してください。 

2024年11月10日

支援者を人権侵害の共犯者にする 監理措置制度のやばさ

 

 昨年(2023年)に成立した改悪入管法が6月から施行されています。これにともない、「監理措置」という新たな制度の運用が始まっています。

 しだいに見えてきたのは、この監理措置が、監理措置を適用される外国人(「被監理者」と呼ばれます)を支援する人を、入管の人権侵害の共犯者として取り込もうとする制度であるという点です。そのことは法律の条文を読んであきらかだったのですけれど*1、実際の運用がはじまって、それをますます確信しているところです。



新制度のねらいは送還強化

 この新しい制度が創設されたことで、収容を解除するための2つの制度が併存することになりました。従来からある仮放免制度と、新しくできた監理措置制度です。

 なぜ、すでに仮放免という制度があったのに、わざわざ新たな制度を作ったのか? その経緯をざっとふりかえっておきます。

 2016年ごろから、入管施設における収容の長期化が顕著になり、報道などを通して収容下での人権侵害の深刻化が広く知られ、問題にされるようになりました。入管行政や難民受け入れのあり方に対する世論の批判が高まるなかで、2019年の秋ごろから浮上してきたのが、監理措置制度の創設や難民申請者の強制送還を可能にする入管法改悪の動きでした。

 政府は入管法を変える名目として、収容の長期化を解消するためだということを言っていました。しかし、実際のねらいは、強制送還をもっと強力に進められるように入管の権限を強化することであったのは、改悪の内容(3回目以降の難民申請者の送還を可能にする、など)をみればあきらかでした。

 監理措置についても、おなじです。収容を解く措置としては、すでに仮放免という制度があったのであって、これを使って収容の長期化をふせぐことは十分に可能だし、じっさい入管は2010年代前半までは、仮放免を弾力的に活用することで収容長期化の回避に取り組んでいるのだと、国連の拷問禁止委員会などに対して述べていました*2。したがって、収容長期化を解消するために監理措置の創設が必要だ(った)という政府の説明はウソであって、むしろ「送還忌避者」を厳しく監視・管理し、確実に送還を実施するために新しい制度を作ったのだとみるべきです。

 この点は、法改悪の経緯とともに、監理措置が従来からある仮放免とどう違うのかという内容の面からもあきらかです。監理措置は、入管(主任審査官)が選任する「監理人」に、「被監理者」(監理措置を適用されて収容を解除される外国人)の生活状況等を監視・把握させ、入管への報告義務を課す(違反すれば、10万円以下の過料が科される)というものだからです*3。仮放免の身元保証人にはこうした責務は課されません。長期収容の解消のためではなく、収容を解除してもなお強力な監視・管理を可能にするために創設されたのが監理措置です。それは、以下の監理措置に反対する「呼びかけ文」でも明確に指摘されているとおりです。


 そもそもなぜ入管は監理措置制度を新設したのでしょうか?この制度は、入管が「送還忌避者」と呼ぶ帰国できない事情のある非正規滞在者たちを徹底的に管理することを目的としたものです。監理措置制度は、いわゆる「送還忌避者」を徹底して管理したうえで、無理やりに強制送還するための制度です。入管権力の下で民間人をその手先として報告義務を負わせ、確実に監視・監理し、併せて送還計画を立て、確実に送還を執行するための、入管の方針に組み込まれた制度であるということを私たちは認識しておかなければなりません。

人間破壊の「監理措置制度」反対!呼びかけ文 | 入管闘争市民連合



仮放免は重病人にのみ適用

 さて、前振りが長くなりましたが、問題は、6月の法施行以降この監理措置がどのように運用されているか、です。法改悪後も、仮放免も(若干の変更はありつつも)制度として維持されているので、収容解除のための2つの制度が併設されている、ということになります。

 仮放免・監理措置の2制度の関係について、大阪入管の審判部門に問い合わせてみたところ、つぎのような説明がありました。「今後は収容を解く場合は、基本的に監理措置のほうを使うことになる」「仮放免は例外的にしか認めないことになる」と。

 収容されている人たちも、職員から「仮放免は重病の人だけ」と言われ、収容を解かれたければ監理措置のほうを申請するよう、うながされているようです。

 ちなみに大阪入管では、監理措置の運用がスタートして、7月から10月までの4か月ぐらいで、少なくとも被収容者10人超が監理措置決定により出所しています。10人超というのは、収容されている人との面会活動で私が把握している数字(伝聞ふくめ)なので、実際はもう少し多いかもしれません。いっぽう、大阪入管の被収容者でこの間、監理措置を申請したけれど、「不決定」、つまり監理措置が認められなかった人は、私の知る限り1人だけ(この人は2回申請していずれも「不決定」)です。

 仮放免はどうかといえば、大阪の場合、職員が被収容者に監理措置のほうを申請するよう誘導していることもあり、申請自体が非常に少ないようですが、6月10日の法施行以後の申請で許可された例は、私の知るかぎりありません。

 関東の支援者に聞くと、東京では健康上の理由で仮放免が許可されている例はいくらかあるようです。しかし、いずれも仮放免後2週間といった短期間のうちに監理措置を申請するすることが許可の条件として付けられているとのことです。つまり、指定された短い期間に監理人を引き受けてくれる人を見つけ出し、監理措置を申請しないかぎり、仮放免を取り消して収容するぞと、いわば、おどしているわけです。

 改悪入管法が施行されて5か月ほどになりますが、仮放免は重病などごくごく例外的な場面でのみ、しかも期間を短く区切ってしか適用しない、という運用になっていることがわかります。



監理措置を申請できない人は収容が長期化する

 このような制度運用のもとでは、帰国できない被収容者が収容から解放される手段は、監理措置を申請する以外に事実上ない、ということになります。

 ところが、仮放免とくらべて監理措置は、申請のハードルが格段に高い。というか、監理人の負担は、仮放免の保証人のそれより格段に大きいため、被収容者が監理人の引き受け手をみつけることはむずかしいのです。

 その「監理人の負担」とは、被監理者を監視し、入管に対して罰則付きの届出・報告義務を負うということですから、たんに労力が大きいということではありません。監理人を引き受けると、入管の手先となって他人の生活状況や行動をスパイするという、良心的な人間であれば道徳的あるいは倫理的な葛藤を深くかかえこまざるをえないような行為をしいられるのです。

 仮放免の身元保証人であれば、家族親族や友人のほか、これまで支援者や弁護士がこれを引き受けることがめずらしくありませんでした。しかし、多くの支援者は、監理措置の監理人を引き受けることに躊躇(ちゅうちょ)しないわけにはいきません。さらに弁護士の場合、監理人を引き受ければ守秘義務違反に問われかねません。そもそも、国家権力である入管の手先として監視と密告をおこなう監理人の任務と、相互の信頼関係なくして成立しない支援とは、あいいれるものでありません。

 こうして、家族などが監理人を引き受けて監理措置申請をした被収容者はさほど長期になる前に収容を解かれることがあるいっぽうで、仮放免のほうを申請した被収容者は重病で収容にたえられないとみなされないかぎりこれを許可されず収容が長期化しつつあるというのが現況です。



支援者を人権侵害に加担させる仕組み

 この状況は、とくに入国しようとして空港で拘束された難民申請者などにとって、不条理きわまりないものです。保護を求めて来たのに監禁され、「解放されたければ、あなたを監視する役目の人間を探してきなさい」と要求されるのです。日本に来たばかりの人に、監理人を引き受けてくれるような人が日本にいるということは当然ながら非常にまれです。ところが、これを見つけなければ、いつか重病になって施設から放り出されるまで収容が続く、ということになるわけです。

 当人の苦悩は切実きわまりないものです。とれる手続きもないまま、なすすべもなく収容が長期化していく。長期化どころか、いつ出られるかわからない。収容が解かれることは、重病になるか死体になるか以外に見込めない。絶望的としか言いようのない状況です。

 こうした被収容者の苦悩をまえにして、私たちはどうしたらよいのでしょう?

 まず基本的な前提として、つぎの事実はふまえておく必要があると思います。すなわち、この状況をつくっているのは入管にほかならない、ということです。収容が長期化するのは、入管がそのような制度運用を選択している結果であって、これがもたらす人権侵害の責任は入管にあるということです。したがって、私たちがすべきこととしては、まずなにより、こうした制度運用を変えさせるよう入管に働きかけることが必須だと思います。重病になるまえに仮放免制度を活用して収容長期化を回避せよ、と。

 ただ、そうしているうちに、収容はつづき、収容されている当人の苦悩はますます深くなっていきます。そこでこう考える支援者が出てくるのは、当然と言えば当然かもしれません。「自分が監理人を引き受けて、この人が監理措置申請するのをお手伝いすれば、それが認められてこの人は収容の絶望からはとりあえず解放されるかもしれない」と。

 しかし、こうして支援者が監理人を引き受けてしまうのは、入管が進めようとしている監理措置の定着に手を貸すということであり、ひいては結果的に当事者の首をしめることになる行為であるということも確かです。

 ここに、監理措置という制度のおそろしさがあると思います。目の前で苦難にある人に対して、その苦難から逃れられるように自分の力を使って手助けしてあげようという行為が、外国人管理の制度に組み込まれ、結果的に外国人を抑圧・管理・追放する政策に加担させられることになるのです。



仮放免者への影響

 とりわけ危惧されるのは、監理措置が制度として定着していったときに、旧入管法のもとで退令仮放免されている3000人以上の人がどうなるのか、ということです。

 現在のところ、新入管法施行日の6月10日より前から仮放免されている人について、旧法のもとでの仮放免の効力が存続するというあつかいになっています。しかし、これはあくまでも「経過措置」としてのあつかいであって、この仮放免の効力がいつまで存続するかは、入管しだいです*4

 入管はいずれ旧法のもとでの仮放免者を監理措置に切り替えようとしてくるでしょう。原則として収容解除は監理措置でおこない、仮放免はあくまでも重病者に対する例外的な措置であるという位置づけで入管が制度を運用する以上、当然の話です。

 そもそも、「送還忌避者」と入管が呼ぶところの退令仮放免者らを送還強化によって減らすことが、昨年の入管法改悪の最大の目的であるわけです。入管は、仮放免者に対して、「次回は仮放免期間の更新を認めない」「監理人をみつけて、監理措置を申請してください」と通告し、次の出頭日までに監理措置を申請しない(できない)仮放免者を再収容していく、ということができるし、いずれやってくるでしょう。

 いまそれを入管がやっていないのは、たんにその準備がまだできていないと判断しているからにすぎません。そこにはさまざまな要素があるでしょうが、2021年の入管法改悪が市民の反対運動に直面して廃案に追い込まれたこと、23年にはこれとほぼ同じ内容の法案が強行採決により成立したものの広範で強力な反対運動があったことの影響は、けっして小さくないでしょう。入管の視点からすれば、仮放免者をつぎつぎと再収容して帰国に追い込んでいくということに着手すれば、入管法改悪のときのような反対運動を覚悟しなけばならない。そのことが、仮放免者の監理措置への切り替え・再収容に入管がふみきろうとするさいの抑止力になっているのは、まちがいありません。

 しかし、市民の強い抵抗を覚悟しなくてすむだろうと入管が判断すれば、旧法での仮放免者を一掃しようとしてくるでしょう。そのさいに、監理措置制度が支援者や市民からの理解をえられたとみなせるような状況になっていれば、入管は容易に仮放免者に監理措置への切り替えを要求できるはずです。入管庁は、あまり良心やプライドのないタイプの記者を使って『読売新聞』や『産経新聞』につぎのような論調の記事を書かせることでしょう。


「2023年の入管法改正で、長期収容問題を解消する目的で監理措置制度が創設された」

「ところが、不法滞在者を支援する一部の支援団体や弁護士がこれに反対している」

「改正法の施行日前から仮放免されていた者について、入管庁は法改正にともなう経過措置として従来どおりにあつかってきたが、改正法施行から●年経過した今、監理措置を申請してこれに切り替えるように求めている」

「監理人を引き受けて被監理者の住居や生活の支援をおこなう(立派な)支援者がいる一方で、この新しい制度に反対する一部の支援者や弁護士が、仮放免者の監理措置への切り替えに反対している」

「このため、監理人の引き受けてを見つけられず、監理措置申請をしない仮放免者が入管施設に収容される事態となっている」


 で、入管や難民、移民に関するヤフーニュースの記事のコメント欄には、こうした論調をコピーしたようなコメントが、あなたたち元記事ぜったい読んでないでしょと言いたくなるような文脈無視っぷりで大量につく、というところまで目にうかびます。

 支援者らへのバッシングはまあどうでもよいことですが、入管が監理措置制度をテコにして仮放免者に対して強制送還に向けた再収容に着手してくるということは想定しなければなりません。支援者が、監理措置制度を批判せず、これに承認をあたえてしまうのは、近い将来に予想されるそうした入管の動きに対し、道を開けて「どうぞどうぞ、ここを通ってください」と加担することにならないでしょうか。



「支援」だけでは足りない

 支援者が監理人を引き受けるのはいかなる場合でもダメなのかといえば、そこは一概に言えないかもしれません。しかし、これを引き受けることの是非とはべつに、監理措置制度に支援者が無批判であってよいのか、という問題はあると思います。

 まあ、監理人を引き受けるという選択をする支援者でも、この制度を手放しで肯定できるという人は、(たぶん)いないでしょう。問題の大きな制度だと認識しつつ、目の前の被収容者を救うためには、現実的にこの制度を使うしかないというジレンマを感じつつ、監理人を引き受けるのかもしれません。

 現在の入管の制度運用においては、仮放免を申請しても重病でなければ許可が出ません。目の前で苦しんでいる被収容者がいれば、この人が収容から解放されるには、監理措置を申請するしかないのだから、支援者としてはそのお手伝いをするしかないではないか。そう考えるのは、たしかに理解できます。

 しかし、こういう入管が現にとっている制度運用を前提にして、そのわくのなかでできる最善の選択はなにか、というふうに考えてしまうと、結局のところ入管の人権侵害をアシストする解答しか出てきようがありません。だって、監理措置なんて、徹頭徹尾、人権侵害の制度でしかないのだから。それを許容するのか、しないのか、というところは、結局のところ問われてくるのだろうと思います。

 入管の制度運用を変えさせることがやはり不可欠なのであって、監理措置にちゃんと反対しましょう、ということがこの長い文章の結論になります。「支援」だけでは足りなく、社会運動がなければならないということです。入管は長期収容するな、仮放免制度を使え。



注 

*1: 監理措置については、以下の過去記事で、新しい入管法の条文に言及しつつ、考察しています。

【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈1〉(2023年12月2日) 

【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈2〉(2023年12月6日) 

【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈3〉(2023年12月14日) 


*2: 以下の記事を参照。 

【改悪入管法案】「監理措置」は収容施設外での生活を可能にする制度ではない(2021年2月19日) 


*3: 監理措置制度において、監理人に課される「責務」の内容については、【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈3〉にまとめてあります。そのうえでこの監理措置を創設した入管のねらいを分析した部分を、同記事から引用しておきます。 

 従来の仮放免制度においても、入管は「動静監視」と称して、仮放免者の生活・行動を調査し把握しようとしてきました。この「動静監視」を民間人である監理人にも一部アウトソース(外部委託)しようというのが、監理措置制度であると言えるでしょう。監理人は被監理者をスパイする役割を負わされることになります。 

 被監理者にとってみれば、家族や友人、あるいは支援者や弁護士など、自分を支援する立場の人間をつうじて、自身の行動を監視・監督されるということです。自分にとって身近な存在、しかも自分に必要な生活上の資源や情報を提供してくれる者から見張られるとなれば、ある面では入国警備官に監視される以上にその監視の強度は高くなるでしょう。

  入管の視点からいえば、被監理者に対する支援者らの親密さや信頼関係を資源として利用することで、より強度の高い監視・管理をおこなおうというのが、監理措置制度を創設した意図としてあるでしょう。 ……


*4: 旧法のもとでの仮放免者に対するこうしたあつかいが、あくまでも「経過措置」であること、その経過措置による仮放免は「終了」することがあること、それが「終了」すれば各種申請については新法が適用されることが、出入国管理庁のサイトで述べられています。 

仮放免に関する各種申請 | 出入国在留管理庁

2024年10月10日

収容によりあなたが受ける不利益を考慮しても


 6月10日から、昨年成立した改悪入管法が施行されています。難民申請が3回目以降の人の強制送還が可能になったなど、非常に問題のある改悪です。

 仮放免制度とはべつに、収容解除のためのもうひとつの制度としてあらたに創設された監理措置も、ここではくわしく書かないけれど*1、深刻な人権侵害をもたらすだろうことが危惧されます。

 ただ、新法ではこの監理措置や仮放免について、不許可の場合には申請者に書面でその理由を示すことになりました。入管がどんなふうに理由を書いてくるんだろうか。そこは気になるところです。

 で、私が大阪入管で面会している被収容者のひとりが、監理措置を申請していたのですが、その人が「不決定」の通知をもらったので、その文書を見せてもらいました。「監理措置決定をしない理由」として、つぎのように書かれていました。


●●●●氏が監理人になろうとしていることを考慮しても、あなたには逃亡及び不法就労活動をするおそれが相当程度認められ、収容によりあなたが受ける不利益の程度その他の事情を考慮してもなお、あなたを送還可能のときまで収容しないことが相当とは認められません。


 他のケースを知らないのですが、おそらくこの不決定理由は定型文で、不決定通知を受け取った他の人たちも同様の「理由」を入管から示されているのではないでしょうか。

 しかしまあ、なんというか、すごいこと書いてますよね。「収容によりあなたが受ける不利益の程度その他の事情を考慮しても」とか書いてますが、入管の役人たちはその「不利益」がどういうものだと考えているのか。というか、まじめにそれを考えたことが少しでもあるのだろうか。

 人を拘束して自由をうばうということが、どれほど重大なことなのか。それは一日であれ大変なことです。ましてや、半年とか、あるいは年単位で人間を拘束するということは、きわめて重大な人権侵害であって、それ相応の理由がなければゆるされるものではない。

 入管での収容は、近年よく知られるようになりましたが、その期間の上限が決まっていません。無期限収容というやつです。事情があって帰国できないという人にとって、いつ出られるのか、見込みがたたない。しかも、刑罰などとちがって、なんのために自分が拘束されているのか、納得できるような理由などない。意味のわからない拘束が、いつまでとも知れず続く。強制送還されるのではないかという恐怖もストレスになる。

 こういう環境で閉じこめられ、自由をうばわれていれば、人間はそう時間をかけずに心身がおかしくなります。

 ところが、入管は言う。「あなたには逃亡及び不法就労活動をするおそれが相当程度認められ、収容によりあなたが受ける不利益の程度その他の事情を考慮してもなお」収容をこのまま続けるのが相当と判断したのだ、と。

 たかが、「逃亡」だとか、「不法就労活動」だとか、それしきの「おそれ」があるから、閉じこめておくのだ、というのです。「逃亡」や「不法就労」でだれか傷つく人でもおるの? そんなくっそくだらない理由で、人間の心身を破壊してもよいというの? 完全に軽重の判断が狂っているとしか言いようがないわけだが、こういう人間たちが権力ふるってるのは、ほんとうにおぞましいことです。うんこ。




*1: 監理措置の問題性については、以下の記事で述べています。

 監理措置は、従来からある(6月に施行された改悪入管法でも、変更点はありつつも一応維持されている)仮放免とおなじく、退去強制手続き中の人、あるいは退去強制処分を受けた人の収容を一時的に解除する措置です。

 しかし、仮放免に対して監理措置の特異性は、収容を解かれた外国人(「被監理者」)をスパイする役目を民間人(「監理人」)に負わせる、というところにあります。上にリンクした「監理措置とはなにか?〈3〉」で、監理人に課される報告義務について書いたことを、抜粋・再掲しておきます。

 このように、監理人に被監理者の生活・行動を日常的に監視させて入管に報告させ、被監理者がアルバイトして報酬を受け取ったり監理措置条件への違反があったりすればそれを入管にたれ込めと要求するのが、この監理措置制度です。

 従来の仮放免制度においても、入管は「動静監視」と称して、仮放免者の生活・行動を調査し把握しようとしてきました。この「動静監視」を民間人である監理人にも一部アウトソース(外部委託)しようというのが、監理措置制度であると言えるでしょう。監理人は被監理者をスパイする役割を負わされることになります。

 被監理者にとってみれば、家族や友人、あるいは支援者や弁護士など、自分を支援する立場の人間をつうじて、自身の行動を監視・監督されるということです。自分にとって身近な存在、しかも自分に必要な生活上の資源や情報を提供してくれる者から見張られるとなれば、ある面では入国警備官に監視される以上にその監視の強度は高くなるでしょう。

 入管の視点からいえば、被監理者に対する支援者らの親密さや信頼関係を資源として利用することで、より強度の高い監視・管理をおこなおうというのが、監理措置制度を創設した意図としてあるでしょう。入管という組織を動かしている連中の反社会性、邪悪さがよくあらわれています。



2023年12月14日

【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈3〉


【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈1〉〈2〉からのつづき


1.はじめに

 改悪入管法で創設されることになっている監理措置制度についての記事は、3回目となる今回で最後です。この制度の最大の問題点は、「監理人」として入管が選定した人間に、「被監理者」(監理措置を受けて収容を解かれた人)の生活・行動を監視させるというところにあります。「監理人」には入管への届出・報告義務が課され、報告をおこたると罰則の対象になります。

 今回の記事では、その「監理人」について、新しい入管法が条文でどう規定しているのか、というところからみていきます。



2.「監理人」について

 改定法で「監理人」について規定しているのは、監理措置Aは第44条の3の各項、監理措置Bは第52条の3の各項です。この「監理人」の規定の内容は、監理措置Aと監理措置Bとでほぼ同じです。なので、ここでは基本的には監理措置Bのほうの条文だけをみていくことにします。


(1)監理人の選定

52条の3第1項(監理措置B)

「監理人は、次項から第五項までに規定する監理人の責務を理解し、当該被監理者の監理人となることを承諾している者であつて、その任務遂行の能力を考慮して適当と認められる者の中から、監理措置決定をする主任審査官が選定するものとする。」


 監理人を選定するのは主任審査官(各地方入管局の局長など)です。



(2)監理人の責務

 上でみた52条の3第1項に書かれているように、同条の第2項から第5項で「監理人の責務」なるものが規定されています*1

 さて、現行の仮放免制度においては、入管局は仮放免を許可するにあたって、多くの場合、身元保証人をたてることを求めてきます。仮放免される人の家族・親族や友人のほか、支援者や弁護士が身元保証人になっています。監理措置制度における「監理人」は、この仮放免の保証人と一見似ているようにみえますが、じつはまったく異なります。

 仮放免の保証人は、「下記の者が仮放免許可された上は、法令を遵守する(させる)とともに、仮放免に付された従う(従わせる)ことを誓約します」と書かれた書面に署名を求められます。しかし、そもそも入管法上、「保証人」についての規定は何もありません。

 これに対し、監理措置制度における監理人には、入管法で「監理人の責務」なるものが規定されているわけです。まずこの点が、監理措置が仮放免と大きく異なる点です。

 では、その「責務」の内容をひとつひとつみていきましょう。


第52条の3第2項(監理措置B)

「監理人は、自己が監理する被監理者による出頭の確保その他監理措置条件の遵守の確保のために必要な範囲内において、当該被監理者の生活状況の把握並びに当該被監理者に対する指導及び監督を行うものとする。」


 ここが監理措置制度の問題の核心部分です。監理措置とは、監理人に被監理者の生活状況を監視し把握させ、監理措置条件に違反していないかその行動を見張らせるという制度であるわけです。


第52条の3第3項(監理措置B)

「監理人は、自己が監理する被監理者による出頭の確保その他監理措置条件の遵守の確保に資するため、当該被監理者からの相談に応じ、当該被監理者に対し、住居の維持に係る支援、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うように努めるものとする。」


 この項を読むと、この新しい制度で監理人を引き受ける者として、支援者なども想定されているように思えます。現行の仮放免制度では、支援者や弁護士が身元保証人を引き受けているケースが少なくありません。入管施設に収容された人のなかには、仮放免の保証人を頼める家族や親族が日本におらず、たよりにできる同国人のコミュニティもないという人は少なくありません。そうした人は、支援者や弁護士に保証人を引き受けてもらわなければ、仮放免を申請することができないわけです。

 入管の収容が収容される人にとってきわめて過酷なものであること、医療放置や職員による暴行などの人権侵害事件が横行していることは、近年たびたび報道され、多くの人が知るところとなっています。そもそも、このブログでも何度も書いてきたように、劣悪な環境での長期収容を入管は帰国強要の手段として意図的・戦略的にもちいてきたのであり、そのことを法務大臣や入管幹部らは隠してすらいません*2

 まぎれもなく入管収容施設でおこなわれていることは拷問であり、長期間収容されて心身を破壊される人はあとをたたず、難民申請者は外部との通信をいちじるしく誓約された環境に収容されて自分が難民であることの立証作業を入管によって日々妨害されています。

 支援者や弁護士が仮放免の保証人を引き受けてきたのは、こうした入管による人権侵害を許せないからであって、またそこに支援が切実に必要とされているからにほかなりません。入管の手先になるために保証人を引き受けている支援者や弁護士などおりません。

 ところが、監理措置においては、監理人はいわば入管の手先として被監理者を監視し、その行動を監督することがその「責務」として課されるのです。被監理者にとっては、監理措置によって収容施設から出ることができても、生活状況や行動(日々どのようにすごしているのか、外出先、家賃や医療費・生活費などをそれぞれどうやって捻出しているのか、報酬を受ける活動をしていないか、など*3)を、入管への届出・報告義務を課された監理人によって監視・監督されるということになります。

 (1)でみたように、監理人を選定するのは入管(主任審査官)ですから、現在仮放免の保証人を引き受けている支援者のすべてを、入管が監理人として選定するとはかぎらないわけですけれども、支援者にとって、仮放免の保証人になるのと監理措置における監理人になるのとでは、その意味あいはまったく異なってきます。



(3)監理人に課される届出義務

 「監理人の責務」としてつぎに規定されているのは、主任審査官に対する届出と報告の義務です。

 まず、届出の義務について。どのようなときに監理人は届け出をしなければならないとされるのか、以下にまとめておきます*4


監理措置A(第44条の3第4項)

▼被監理者がつぎのいずれかに該当することを知ったとき。

  • 逃亡し、又は逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある。
  • 証拠を隠滅し、又は隠滅すると疑うに足りる相当の理由がある。
  • 監理措置条件に違反した。
  • 主任審査官の許可を受けないで報酬を受ける活動を行った、又は収入を伴う事業を運営する活動を行った。
  • 被監理者に課された届出義務(第44条の6)に違反した。

▼被監理者が死亡したとき。

▼上記のほか、監理措置を継続することに支障が生ずる場合として法務省令で定める場合に該当するとき。


監理措置B(第52条の3第4項)

▼被監理者がつぎのいずれかに該当することを知ったとき。

  • 逃亡し、又は逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある。
  • 収入を伴う事業を運営する活動若しくは報酬を受ける活動を行い、又はこれらの活動を行うと疑うに足りる相当の理由がある。
  • 監理措置条件に違反した。
  • 被監理者に課された届出義務(第52条の5)に違反した。

▼被監理者が死亡したとき。

▼上記のほか、監理措置を継続することに支障が生ずる場合として法務省令で定める場合に該当するとき。


 前回記事で述べたように、監理措置Bは全面的に就労が禁止される(例外なし)のに対し、監理措置Aは就労(報酬を受ける活動)が許可される場合があります。

 監理措置Aにおいて被監理者が許可外の就労をした場合、監理措置Bにおいて被監理者が就労した場合、監理人は主任審査官にこれを届け出なければならないということになります。また、被監理者の「逃亡」や監理措置条件違反にも監理人は届出義務が課されています。

 なお、上の監理人が届出を義務づけられている事項のうち黄色くマークした部分は、監理措置の取消し事由(監理措置A:第44条の4第2項, 監理措置B:第52条の4第2項)にもなっています。したがって、これらを監理人が届け出た場合、監理措置は取り消されて被監理者が収容されてしまうということになりえます。

 そして、あとで述べるように届出をしなかったり、虚偽の届出をした場合、監理人は罰則(10万円以下の過料)の対象となります。たとえば、被監理者が自身や家族の生活のためにアルバイトをしたのを知ったとき、監理人がこれを入管に届け出れば被監理者は収容されてしまうでしょう。しかし、届け出なければ監理人自身が罰則を科されるかもしれないということです。



(4)監理人に課される報告義務

 上の届出義務にくわえ、監理人は主任審査官に対する報告義務が規定されています。


監理措置B:「主任審査官は、被監理者による出頭の確保その他監理措置条件の遵守の確保のために必要があるときは、法務省令で定めるところにより、監理人に対し、当該被監理者の生活状況、監理措置条件の遵守状況その他法務省令で定める事項の報告を求めることができる。この場合においては、監理人は、法務省令で定めるところにより、当該報告をしなければならない。」(第52条の3第5項)


 監理措置Aについても、ほぼ同じ内容の規定があります(第44条の3第5項)。

 条文は、「主任審査官は、……監理人に対し……報告を求めることができる」という書き方をしているので、一見したところ、なにか特別な場合にだけ「報告を求める」のかなという印象も受けるのですけれども。しかし、「報告を求める」かどうかの判断は結局入管がすることになるので、すべてのケースで監理人は報告を要求されると考えたほうがよいでしょう。そして、入管(主任審査官)が求めたら、監理人は「当該報告をしなければならない」とその報告を義務づけられます。

 このように、監理人に被監理者の生活・行動を日常的に監視させて入管に報告させ、被監理者がアルバイトして報酬を受け取ったり監理措置条件への違反があったりすればそれを入管にたれ込めと要求するのが、この監理措置制度です。

 従来の仮放免制度においても、入管は「動静監視」と称して、仮放免者の生活・行動を調査し把握しようとしてきました。この「動静監視」を民間人である監理人にも一部アウトソース(外部委託)しようというのが、監理措置制度であると言えるでしょう。監理人は被監理者をスパイする役割を負わされることになります。

 被監理者にとってみれば、家族や友人、あるいは支援者や弁護士など、自分を支援する立場の人間をつうじて、自身の行動を監視・監督されるということです。自分にとって身近な存在、しかも自分に必要な生活上の資源や情報を提供してくれる者から見張られるとなれば、ある面では入国警備官に監視される以上にその監視の強度は高くなるでしょう。

 入管の視点からいえば、被監理者に対する支援者らの親密さや信頼関係を資源として利用することで、より強度の高い監視・管理をおこなおうというのが、監理措置制度を創設した意図としてあるでしょう。入管という組織を動かしている連中の反社会性、邪悪さがよくあらわれています。



(5)監理人に対する罰則(行政罰としての「過料」)

 入管法は第70条以下が罰則の規定となっています。

 第77条の2は「次の各号いずれかに該当する者は、10万円以下の過料に処する。」としており、今回の法改定では、その第2号から第6号がそれぞれ監理人の届出・報告義務違反への罰則として新設されました。各号は以下のとおりです。


  • 第2号「第44条の3第4項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者」(→監理措置Aについての届出義務違反)
  • 第3号「第44条の3第5項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者」(→監理措置Aについての報告義務違反)
  • 第4号「第44条の3第7項(第52条の3第6項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者」(→監理措置AおよびBについて、監理人を辞任する場合の届出義務違反)
  • 第5号「第52条の3第4項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者」(→監理措置Bについての届出義務違反)
  • 第6号「第52条の3第5項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者」(→監理措置Bについての報告義務違反)



3.被監理者に対する罰則規定

 今回の法改定で創設された監理措置制度では、被監理者に対する罰則(刑事罰!)が規定されています。この点も、従来の仮放免制度との大きな違いです。


(1)就労に対する罰則

第70条 次の各号のいずれかに該当する者は3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは3百万円以下の罰金に処し、又は懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する

……

第9号(新設) 第44条の2第7項に規定する監理措置決定を受けた者で、第44条の5第1項の規定による許可を受けないで報酬を受ける活動を行ったもの又は収入を伴う事業を運営する活動を行ったもの(在留資格をもって在留する者を除く。)

第10号(新設) 第52条の2第6項に規定する監理措置決定を受けた者で、収入を伴う活動を行ったもの又は報酬を受ける活動を行ったもの


 第9号は監理措置A、第10号は監理措置Bについての規定です。

 仮放免については、現行法・改定法いずれにおいても、就労は仮放免の条件違反には問われうるものの、刑事罰の対象ではありません。今回創設される監理措置制度は、就労を監理措置条件違反に問うだけでなく、これを犯罪化して刑罰の対象にするという点で、ある種の一線をこえた悪法だと言うべきです。

 ごくごく当たり前のことを言いますが、家族などをふくめて支援を受けられる人間関係がとぼしい人、あるいは資産のない人にとって、就労は生きて抜いていくのに欠かせない重要な条件になることがあります。社会保障からほとんど排除されている非正規滞在の外国人にとっては、なおさらそうです。したがって、就労を禁止するということが、ときとして「死ね」と言っているにひとしい場合が存在するわけです。就労を犯罪化し刑事罰を科す監理措置制度は、生きること、生きようとすること自体を犯罪として罰しようとするものです。これは、たかが(とあえて言いますが)国家の出入国管理の業務を、人間の生存権よりも大事にする立法であり、物事の軽重についての価値のつけかたが完全に狂っているとしか言いようがありません。

 なお、2の(3)(4)で述べたように、監理人には届出・報告の義務が課されます。監理人にとっては、法に規定された義務を果たすことで、なんの罪もない、たんに仕事をしてその対価として報酬を受け取っただけの被監理者を刑務所に送るということに、なりかねません。



(2)「逃亡」に対する罰則

第72条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは20万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する

……

第3号(新設) 第44条の2第1項若しくは第6項又は第52条の2第1項若しくは第5項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じない者

……

第6号(新設) 第54条第2項の規定により仮放免された者で、同項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの


 監理措置制度においては、上記第6号のとおり、被監理者の「逃亡」についても、監理措置条件違反に問うばかりではなく、刑事罰が規定されています。

 上の第3号は、仮放免者の「逃亡」についての罰則規定で、これも今回の改定法で新設されたものです。現行法では、仮放免者の「逃亡」は仮放免条件違反に問われ、仮放免取消し(→収容)の理由にはなりましたが、刑事罰の対象ではありませんでした。



4.おわりに

 以上、監理措置制度の問題点をみてきました。改悪入管法は2024年6月までの施行が予定されているわけですけれど、ここで創設される監理措置制度もまた、この法律の施行を許してはならない重要な理由のひとつと言えます。

 監理措置については、入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合が「人間破壊の『監理措置制度』導入反対と入管への要請」と題する反対声明を出しています。短い文章でわかりやすく監理措置の問題性を指摘していますので、一読をおすすめします。

「監理措置制度」反対  声明文 | 入管闘争市民連合



【注】

*1: 監理措置Aにおいては第44条の3第2項から同5項で「監理人の責務」が規定されています。条文の内容は監理措置Bのそれとほぼ同じ。 

*2: 入管が長期収容が帰国強要の手段として意図的・戦略的にもちいてきたということは、以下の記事などで述べました。 
「すがってはいけないワラ」とか言うなら浮き輪でも投げて助けろよ 入管法審議での維新・梅村氏の発言について(2023年5月13日) 
「強制送還を忌避」させないための無期限収容 入管庁西山次長の国会答弁は憲法36条への挑戦ではないのか?(2023年4月21日) 
「送還忌避者の発生を抑制する適切な処遇」とはなにか? 国家犯罪としての入管収容(2021年10月28日) 
公然化されつつある拷問――出国強要の手段としての無期限長期収容(2021年4月3日) 

*3: ここであげた例は、いずれも現行の仮放免制度において、入国警備官が、自宅訪問や隠密におこなう監視・尾行、本人との面接などを通じて、現に調査している事項です。つまり、収容を解かれた人についてこういったことを入管は把握したいということであって、それは監理措置においても同様だと推測できます。 

*4: 条文をそのまま引くとややわずらわしいので、言葉をかえたり省略したりしながらまとめています。

2023年12月6日

【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈2〉


【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈1〉のつづき


1.はじめに

 施行をひかえた*1改定入管法では、従来からある仮放免制度が一応は維持されるいっぽうで、監理措置という収容解除のための新しい制度が創設されることになります。前回記事では、改定法の条文を引きながら、仮放免制度についての変更点をみました。新たな入管法では、仮放免はきわめて限定的な場合にのみ適用される例外的な措置と位置づけられており、収容解除の制度としては監理措置に事実上の一本化をしたいというのが入管の意図なのだろうと考えられます。

 今回の記事では、その監理措置という制度がいかに深刻な問題をはらんでいるのか、改定入管法の条文を参照しつつ、みていきます。



2.原則「収容」の例外としての監理措置

 さて、監理措置がどういう制度なのかをみていくまえに、収容の制度について、大まかに理解しておく必要があります。入管法上の「収容」には2つの種類があります。


A)違反の「容疑」を審査するための収容(収容令書にもとづく収容)

  • 最大60日間。
  • 退去強制手続き(違反審査、口頭審理、異議申し立て、法務大臣裁決)をへて、「放免(在留継続)」「在留特別許可」「退去強制令書(退令)発付」のいずれかの処分を決する。

B)退去強制処分を受けたひとの収容(退去強制令書にもとづく収容)

  • 収容期間の上限なし。
  • 送還のための身体拘束。


 Aの収容は、退去強制(強制送還)すべきかどうかを決める手続きをおこなうための収容です。その手続きのやり方などについては非常に大きな問題があるのですが、この記事ではふれません。

 Bの収容は、Aの結果、退去強制処分が決まった人をただちに送還できないときに、「送還可能なときまで」収容するというものです(現行法第52条第5項、改定法第52条第7, 8項)。収容期間の上限はさだめられておらず、そのことが長期収容問題の大きな原因となっています。

 ABいずれについても、入管法上、収容すること(監禁して自由を奪うこと)が原則となっており、収容を解くための監理措置(あるいは仮放免)は、あくまでも例外的な措置として位置づけられています。野蛮な制度ですね。

 この「収容(身体拘束)が原則」「収容解除は例外」という構図は、現行法・改定法とも変わりません。



3.監理措置Aと監理措置B

 このAとBの収容に対応して、監理措置にも2種類あります。ここでは便宜上「監理措置A」と「監理措置B」と呼ぶことにします(法律に「A」とか「B」とか書いてあるわけではありません)。改定法においてそれぞれを規定する条文の番号もあげておきます。


監理措置A:退去強制手続き中(退令未発付)の監理措置
  • 第44条の2(収容に代わる監理措置)
  • 第44条の3(監理人)
  • 第44条の4(監理措置決定の取消し)
  • 第44条の5(報酬を受ける活動の許可等
  • 第44条の6(被監理者による届出)
  • 第44条の7(違反事件の引継ぎ)
  • 第44条の8(監理措置決定の失効)
  • 第44条の9(事実の調査)

監理措置B:退去強制を受ける者(被退令発付者)の監理措置
  • 第52条の2(収容に代わる監理措置)
  • 第52条の3(監理人)
  • 第52条の4(監理措置決定の取消し)
  • 第52条の5(被監理者による届出)
  • 第52条の6(監理措置決定の失効)
  • 第52条の7(事実の調査)


 入管法上の位置づけの異なる2つの収容に対応して、監理措置Aと監理措置Bがあるわけなので、上記のようにその決定であったり取消しであったりといった手続きはそれぞれ別々の条文で規定されています。

 監理措置を受けて収容を解除される人(「被監理者」といいます)にとっての大きな違いは、監理措置Aは、就労(報酬を受ける活動)が許可される場合があるという点です*2

 もういっぽうの監理措置Bは、就労は禁止であり、そこに例外はありません。就労が認められないのは仮放免も同じなのですが、これに関して監理措置は仮放免と大きな違いがあります。それはあとで(次回記事で)述べます。

 では、監理措置がどのような制度なのか、以下、条文をみていくことにします。



4.だれがどんなときに監理措置を決定するのか?

 監理措置の決定は、主任審査官がします(監理措置A:第44条の2第1項, 監理措置B:第52条の2第1項)。「主任審査官」というのは、地方入管局(東京入管、名古屋入管、大阪入管等)の局長・次長などです。

 その主任審査官がどのようなときに監理措置の決定をするのかは、つぎのように規定されています。


監理措置A:「容疑者が逃亡し、又は証拠を隠滅するおそれの程度、収容により容疑者が受ける不利益の程度その他の事情を考慮し、容疑者を収容しないでこの章に規定する退去強制の手続を行うことが相当と認めるとき」(第44条の2第1項, 同第6項)

監理措置B:退去強制を受ける者が「逃亡し、又は不法就労活動をするおそれの程度、収容によりその者が受ける不利益の程度その他の事情を考慮し、送還可能のときまでその者を収容しないことが相当と認めるとき」(第52条の2第1項, 同第5項)


 監理措置を決定するのは、主任審査官が「相当と認めるとき」ということであって、結局のところ入管の判断しだいということになりますね。

 なお、監理措置は被収容者がこれを主任審査官に請求できるということも規定されています(監理措置A:第44条の2第4項, 監理措置B:第52条の2第4項)。つまり、監理措置は、請求(申請)を受けて主任審査官が決定する場合と、請求(申請)を待たずに主任審査官が職権で決定する場合があるということになります。職権のと請求のがある点は、仮放免と同じです。



5.監理措置条件(違反すると監理措置取消&保証金没取)

 監理措置を決定する場合、主任審査官は「監理措置条件」というものを付けることになっています(監理措置A:第44条の2第1項, 監理措置B:第52条の2第1項, 同第5項)。

 「監理措置条件」とは、つぎのようなものです。


監理措置A:「住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他逃亡及び証拠の隠滅を防止するために必要と認める条件」(第44条の2第1項)

監理措置B:「住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他逃亡及び不法就労活動を防止するために必要と認める条件」(第52条の2第1項)


 あとでみるようにこの「条件」には、違反した場合のいわば事実上のペナルティが規定されています。監理措置の取消と保証金の没取です。監理措置が取り消されるということは、収容されるということを意味します。

 つまり、収容(監禁)という事実上のペナルティを脅しにして、収容を解除された人の行動をコントロールしようというのが、この「監理措置条件」というものだと言ってよいでしょう。「条件を守らなかったら収容するぞ」というわけです。

 従来からある仮放免制度も、同様に「条件を守らなかったら収容するぞ」という脅しをもちいながら、収容を解かれた人をコントロールしようという仕組みになっています。

 仮放免が許可された人には、その人の名前や顔写真、国籍、住所などが記された「仮放免許可書」という書面が個々人ごとに交付されます。その裏面に「仮放免の条件」が記載されています。以下は、大村入管センターから仮放免された人の仮放免許可書の裏面に記載された「仮放免の条件」の例です(個人を特定できないよう内容を一部改変するとともに伏字にしています)。


(1)住居

大阪府●●市●●1丁目●‐● 203号室

(2)行動範囲

長崎県から住居の存在する大阪府までの経路(住居に到着するまでに限る)及び住居の存在する大阪府

(3)出頭を命じられたときは、指定された日時及び場所に出頭しなければなりません。

(4)仮放免の期間

令和●年●月●日から令和●年●月●日17時00分まで

(5)その他

令和●年●月●日13時00分に大阪入国管理局審判部門へ出頭すること。
職業又は報酬を受ける活動に従事できない。


仮放免許可書の裏面(例)
「仮放免の条件」が記載されている。

 これら「仮放免の条件」に違反した場合は、仮放免取消し(→収容)と保証金没取の対象になります。このうち保証金没取については、前回記事で述べたように今回の法改定で保証金についての規定そのものものが削除されることになったので、改定法施行後は仮放免されるときに保証金納付が求められることがなくなるはずです。

 さて、新しく創設される監理措置の「条件」も、さきの条文をみるかぎりでは、「仮放免の条件」と同様のものが付けれれるのではないかと思われます。

 では、監理措置条件に違反した場合にどうなるのか。条文にどう書かれているのか、みておきます。

 第1に、保証金没取の対象となります。今回の入管法改定において、仮放免にともなって保証金を納付させる制度は廃止されましたが、新しく創設された監理措置制度においては、主任審査官は「3百万円を超えない範囲内で法務省令で定める額の保証金」を納付させることができると規定されています(監理措置A:第44条の2第2項, 同第6項、監理措置B:第52条の2第2項, 同第5項)。被監理者が監理措置条件に違反した場合、主任審査官は「保証金の全部又は一部を没取するものとする」と規定されています(監理措置A:第44条の4第5項, 監理措置B:第52条の4第4項)。

 第2に、「監理措置条件」に違反した場合、主任審査官は監理措置を取り消すことができると規定されています(監理措置A:第44条の4第2項, 監理措置B:第52条の4第2項)。この場合の監理措置の取消しは、収容されるということを意味します。


 以上、今回の記事では、

  • 「収容」を原則とする制度において、例外的な収容解除として、監理措置が位置づけられている
  • 監理措置には「監理措置条件」が付けられ、これに違反した場合に事実上のペナルティとして監理措置が取り消されることがある

といったことをみてきたわけですが、これらは従来からある仮放免とも共通した点であります。

 監理措置制度のはらむ深刻な問題は、これから述べるにあります。次回記事で、仮放免とも比較しながら、監理措置の問題性をみていきたいと思います。


【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈3〉につづく



【注】

*1: 施行日は改定法の附則の第1条に「この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」と規定されています。公布日が2023年6月16日なので、そこから「起算して1年を超えない範囲内」のどこかで施行されることになっています。 

*2: 第44条の5第1項「主任審査官は、被監理者の生計を維持するために必要であつて、相当と認めるときは、被監理者の申請(監理人の同意があるものに限る。)により、その生計の維持に必要な範囲内で、監理人による監理の下に、主任審査官が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う報酬を受ける活動として相当であるものを行うことを許可することができる。この場合において、主任審査官は、当該許可に必要な条件を付することができる。」


2023年12月2日

【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈1〉


1.はじめに

 6月に国会で強行採決された改悪入管法。公布日から1年以内(来年6月16日までのどこか)に施行されることになっています。

 この改悪入管法は、3回目以降の難民申請者の強制送還を可能にする点などが、大きな問題として広く認識されていると思います。しかし、それと比べるとあまり共有されていないですが、「監理措置」というあらたに作られた制度もまた相当に深刻な問題点をはらんでいます。

 「監理措置」制度の問題の深刻さを理解・共有するうえでやっかいなのは、この制度を入管がどのように運用するつもりなのか、いまだによくみえてこないというところです。国会審議でも、また強行採決後いまにいたるまでも、政府や入管庁はそこを十分に説明してきたとはいえません。

 そこで、改悪法の条文を読みながら、「監理措置」制度が条文でどのように規定されているのかを確認し、それが入管によってどのように運用されうる制度なのか、考える材料を共有できたらと思います。



2.「仮放免」と「監理措置」――2つの制度の併存

 従来の入管制度においても、「仮放免」という、収容を解除して施設から出所させる制度がすでにあります。改定入管法では、この仮放免制度が一応は残されるいっぽうで、新たに監理措置という制度が設置されました。 つまり、仮放免と監理措置という2つの収容解除のための制度が併存するということになります。 そういうわけで、以下のようなところが疑問点としてうかんできます。


(1)監理措置は仮放免とどうちがうの?(監理措置のなにが問題なのか?)

(2)監理措置はどのようなケースに適用されるのか?

(3)仮放免はどのようなケースに適用されるのか?(現行法で仮放免されている人は、改定法施行後も仮放免が「更新(延長)」されるのか?)


 このブログ記事では、(1)(2)(3)の疑問点を念頭に、改定法が現行法とどう変わったのか、条文をみていきます。

 ただし、条文の文言だけでは、改定法施行後に入管がそれをどう運用していくのか、わかりません。また、入管がどのように法を運用するのかは、さまざまな要因(対抗運動や世論の動向などもふくむ)によって変わってくるということも、重要です。そうしたところを頭に入れて、今後おきてくる事態にどうのぞんだらよいのか、考えていく必要があります。



3.仮放免について変更点

 さて、このブログ記事では監理措置という新たな制度がどのように改定入管法で規定されているのかをみていくのですけれど、そのまえに、仮放免についての規定がどう変わったのか、ということをおさえておきましょう。

 仮放免の制度自体は、改定された入管法においても一応は維持されます。入管施設に収容されている人やその代理人らが仮放免を請求(申請)できること(第54条第1項)、また、入国者収容所長らがその請求(申請を)待たずに職権での仮放免もできるということ(第54条第2項)も、改定法で変わりません。

 しかし、以下の第54条第2項の変更は、今回の法改定をすすめてきた入管庁の意図がよくあらわれているようにもみえ、今後、新しい入管法を入管庁がどのように運用しようとしているのか読みとるうえでも重要なところだと思われます。


現行法 第54条第2項
「入国者収容所長又は主任審査官は、前項の請求により又は職権で、法務省令で定めるところにより、収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている者の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠並びにその者の性格、資産等を考慮して3百万円を超えない範囲で法務省令で定める額の保証金を納付させ、かつ、住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付して、その者を仮放免することができる。」
改定法 第54条第2項
「入国者収容所長又は主任審査官は、前項の請求により又は職権で、収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている者について、健康上、人道上その他これに準ずる理由によりその収容を一時的に解除することを相当と認めるときは、法務省で定めるところにより、期間を定めて、かつ、住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付して、その者を仮放免することができる。」


 大きな違いは2つあります。


(1)許否判断における考慮要素

 まず、許否判断における考慮要素(許可/不許可を判断するうえで何を考慮するのか?)について、以下のように変わっています。


現行法「収容されている者の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠並びにその者の性格、資産等を考慮して

   ↓

改定法「健康上、人道上その他これらに準ずる理由によりその収容を一時的に解除することを相当と認めるとき


 上の現行法は、よくもわるくも、この考慮要素があいまいで漠然としか規定されていなかったと言えます。

 これが改定法になると、「健康上、人道上その他これらに準ずる理由」とかなり明示的・限定的になっています。「健康上」というのは、収容・送還にたえられない重病人、「人道上」はたとえば未成年者などが想定されているのでしょうか。

 しかし、従来の仮放免制度の運用の実態をみると、もっと広い要素が考慮されてきたのは確かです。

 たとえば、難民申請している人が、難民該当性の立証作業を理由に仮放免を申請し、これが認められて仮放免を許可されたと考えられるケースは多々みうけられます。難民認定手続きにおいて、難民申請者が難民に該当することを立証する責任は、申請者本人に課されています。証拠の資料などは申請者が自分で収集してきて提出しろということが求められているわけです。ところが、収容(=監禁)によって自由をうばわれ、人と会うことも家族・親族や知人との通信もいちじるしく制限され、インターネットに接続することすらできない環境で、立証作業などできるわけがありません。収容は、入管の難民申請者に対する立証妨害と言えます。そこで、難民該当性の立証のために必要であるということが、難民申請者にとって仮放免を請求する理由になるわけです。

 ところが、改定法の規定を読むかぎりでは、こうした理由での仮放免は想定していないように思われます。この立法に大きく関与してもきた入管の役人の想定では、仮放免は重病人など収容を継続できないと入管が判断した場合にのみ適用し、難民該当性の立証作業や訴訟準備を理由とする収容解除は監理措置でおこなうといった使い分けを考えているのではないかと想像できます。


(2)保証金についての規定が削除されている

 さきにみた第54条第2項のもうひとつ重要な変更点は、現行法にある「3百万円を超えない範囲で法務省令で定める額の保証金を納付させ」という保証金についての規定が削除されていることです。

 現行の仮放免制度の運用では、請求(申請)による仮放免の場合、保証金の納付が入管から要求されています(入国者収容所長らの職権での仮放免の場合は、保証金の納付は要求されていないようです)。仮放免された人が「逃亡」した場合、納付された保証金は没取するとの規定が第55条第3項にあります*1。この保証金には、「逃亡」に事実上のペナルティを科し、これを防止するという意味あいがあるわけです。

 ところが改定入管法では、仮放免の保証金に関する規定は、その没取の規定もふくめ、すべて削除されています。なお、「保証書」というものを規定した条文も現行法にはあるのですが(仮放免される人以外の人が差し出す保証書によって保証金に代えることができるというもの。第54条第3項*2)、これも改定法では削除されています。

 いっぽうで、新しく作られた監理措置については、あとでみるように主任審査官は「三百万円を超えない範囲内で法務省令で定める額の保証金」の納付を監理措置の条件とすることができるという規定がもうけられています(第44条の2第2項、第52条の2第2項)。


(1)(2)から推測できること――仮放免は例外的な措置に?

 こういったところをみると、改定法施行後は、仮放免制度は入管が収容して面倒をみきれない重病人などの収容を解除する(「放り出す」という表現が適切かもしれません)場合など、きわめて例外的・限定的な場面でしか適用しないということが、入管当局の想定としてはあるのではないかと考えられます。考慮要素を「健康上、人道上その他これらに準ずる理由」とせまく限定して規定したのも、また、保証金納付を仮放免については不要とするのも、仮放免はあくまでも例外的措置と位置づけ、収容解除は監理措置に事実上の一本化をしたいという入管の意図のあらわれではないでしょうか

 ただし、この記事の最初のほうでも述べたように、法律がどのように運用されるのかということは、それを運用する入管の意図だけで決まるものではなく、世論の動向などをふくんださまざまな要素によっても変わってきます。つぎの記事では、その点をふまえながら、今回の法改定で創設されることになった「監理措置」とはどういう制度なのか、入管法の条文をみていきます。


【改悪入管法を読む】監理措置とはなにか?〈2〉につづく



【注】 

*1: 現行法第55条第3項「入国者収容所長又は主任審査官は、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出に応じないことを理由とする仮放免の取消をしたときは保証金の全部、その他の理由によるときはその一部を没取するものとする。」

*2: 現行法第54条第3項「入国者収容所長又は主任審査官は、適当と認めるときは、収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている者以外の者の差し出した保証書をもつて保証金に代えることを許すことができる。保証書には、保証金額及びいつでもその保証金を納付する旨を記載しなければならない。」

2021年2月19日

【改悪入管法案】「監理措置」は収容施設外での生活を可能にする制度ではない


【ふりがなを つける】(powered by ひらがなめがね)




 今日、政府は入管法の改定案を閣議決定したとのこと。これを受けて、以下のような報道がでている。


国外退去の外国人、施設外生活が可能に 入管法改正案を閣議決定 | 毎日新聞 2021/2/19 08:53(最終更新 2/19 08:53)

入管法改正案を閣議決定 収容施設外での生活を可能に:朝日新聞デジタル 2021年2月19日 11時46分


 この2つの記事とも、政府案の「監理措置」という制度が収容施設外での生活を可能にするものであるという見出しをつけている。政府の言い分をそのまま記事の見出しにしたということだろうが、しかし、「監理措置」についてのこの認識は正しくない。


 毎日新聞の記事では、「監理措置」について、つぎのように説明している。


 政府は19日の閣議で、在留資格がなく国外退去処分になった外国人が、入管施設に長期間収容される問題の解消に向けた入管法改正案を決定した。送還まで施設に収容する同法の原則を見直し、施設外で生活できる「監理措置」を創設する。(中略)


 監理措置は、逃亡の恐れがないことを前提に、親族や知人、支援者らを「監理人」に選任し、対象者の生活状況の報告を義務付けることで社会での生活を可能にする制度。逃亡には1年以下の懲役などの罰則を設ける。審判中に限って就労も認める。現在も健康上の理由などから一時的に収容を解く「仮放免」はあるが、許可基準や運用が不透明とされていた。


 引用したところの最後でも述べられているとおり、収容を解く制度としては、現行法においても「仮放免」というものがある。この「仮放免」の運用によって、収容を解かれて施設外で生活している人がすでにいる。だから、かりに政府案がとおって「監理措置」が創設されたとしても、これによって施設外での生活が可能になるということではない。


 つまり、現行法でも可能なことをするために、政府はわざわざ法律を変えますと言っているわけだ。すでにある制度をなぜ使わないのか、ということを、報道にたずさわるかたがたはぜひ政府に問いただしてほしい。毎日新聞の記事では、従来からある仮放免は「許可基準や運用が不透明とされていた許可基準や運用が不透明とされていた」と言うが、これではまったく説明にならない。それならば仮放免を申請する人に入管が許可基準や運用を明示すればよいだけの話であり、「監理措置」なるあらたな制度が必要な理由にはならない。


 ちなみに、従来は日本政府自身、仮放免制度を柔軟に活用することで長期収容を回避するように取り組んでいるのだということを、くりかえし表明してきた1。たとえば、2011年7月には、国連拷問禁止委員会の「申請が却下されたあるいは未決定の庇護申請者の収容の長さについての懸念に対処するためにとった措置につき説明されたい」との質問に対し、日本政府はつぎのように回答している。


 入管法上,難民認定申請中の者の送還は禁止されているところ,収容中の難民認定申請や,難民認定申請を繰り返し行う場合などにより,近年,収容が長期化する傾向にあることを踏まえて,2010年7月から,退去強制令書が発付された後,相当の期間を経過しても送還に至っていない被収容者については,仮放免の請求の有無にかかわらず,入国者収容所長又は主任審査官が一定期間ごとにその仮放免の必要性や相当性を検証・検討の上,その結果を踏まえ,被収容者の個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用し,収容の長期化をできるだけ回避するよう取り組んでいることから,長期収容者は,減少傾向にある。(太字による協調は引用者)


 仮放免を弾力的に活用することで収容長期化を回避するように取り組んでいるのだと、政府ははっきり言っている。国連機関に対して公式にである。今回の「監理措置」の創設うんぬんという提案は、こうした従来の政府の立場と整合していない。


 実際のところ、上記のような政府の公式表明とはうらはらに、入管は収容長期化の回避に取り組んでこなかったのである。つまり、仮放免制度を柔軟に活用すると言いながら、そうしてこなかったからこそ、こんにちの収容長期化問題が生じているということが言える。


 ところが、毎日新聞記事では、こうした入管の制度運用についての情報・知識を残念ながら欠いているために、長期収容されている外国人の側にのみ一方的に収容長期化の原因を帰着させるような書き方になってしまっている。


 非正規滞在の外国人は、国外退去とするか否かを決める審判から送還までの間、入管施設に原則無期限で収容される。審判で国外退去となった外国人は、自ら出国するか、強制的に送還される。ただ、日本に家族がいるなどとして帰国を拒んだり、難民認定申請を繰り返したりする例が相次ぎ、収容が長期化している。(太字による協調は引用者)


 外国人が帰国をこばむから収容が長期化するのだということのみ述べられ、入管の制度運用が収容長期化をまねいているという、もう一方の側面は、完全に消し去られている。これでは、フェアな報道とは言えないだろう。


 「監理措置」がほんとうに政府の言うように長期収容問題の解消にむけての制度と言えるのか。これについても、批判的に考察する必要がある。


 弁護士の指宿昭一氏は、「監理措置」制度について、つぎのように述べている。


「監理措置」制度は、仮放免を厳格化し、監理人がいなければ収容が解かれない制度になると思われます。監理人を通じて収容が停止された外国人を管理するシステムです。監理人の選定システムや監理を怠った場合監理人の責任によっては、現在の仮放免制度よりも相当に厳しい管理制度になります。しかも、監理措置は原則2回目までに限定するとのことです。

 「3か月程度の金銭支援」も検討などと言っていますが、実現可能性は低いでと思われます。仮に実現しても、3ケ月経過後は飢え死にしろというのでしょうか? 収容されていない期間は、就労を可能にすべきであり、それで足ります。

「滞留外国人 社会生活容認」は懐柔策ですらない! | 暁法律事務所


 こうしてみると、収容長期化の解消を目的に政府が「監理措置」を提案しているとはとうてい思えない。


 私は前回の記事で、「監理措置」制度によって長期収容問題が改善することはありえないということを述べている。こちらも、よかったらご覧になってください。


宇宙広場で考える: 改悪入管法案について――あまくないアメ玉




追記(2月21日 17:08)

 私が上に書いたことは、政府案の「監理措置」制度について、その内容にまでふみこんで批判しているものではありません。「監理措置」が創設された場合に、これによって収容施設外での生活が可能になるのだという一部のマスコミ報道は、ミスリードですよということを指摘しているにすぎません。


 しかし、この「監理措置」制度は、収容長期化問題の解決につながらないばかりか、従来の仮放免制度にはない、大変に危険な要素があるようです。それについては、以下の2つの記事などが参考になります。


「困難な立場にある方々を人間扱いしない社会は、実は誰も人間扱いしていないのだと思う」―入管、難民問題に取り組む駒井知会弁護士インタビュー | Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)

監理措置のどこがダメなのか|koichi_kodama|note


 くわしくはリンク先の記事をみてほしいですが、とくに「監理措置」で収容を解かれた人が就労した場合に刑事罰を科されること、また、監理人も被監理者の動静を入管に報告しなかった場合などに処罰の対象になることなどがもりこまれているのは、非常に問題です。政府の入管法改定案は、廃案しかないという思いをあらたにしました。


 さて、それにしても、まさにこれこそ政府・入管当局が仕掛けてきていることの結果にほかならないのですが、いま法改定・制度変更について議論せざるをえないということ自体が、腹立たしいものです。仮放免者は、就労を禁止され、国民健康保険などの社会保障からも排除されて生活しています。そこにこのコロナ禍でますます困窮している人が多数います。また、入管はこのコロナ禍にあっても長期収容を継続しており、東京入管の収容場ではコロナのクラスタが発生しています。


 この人たちの人権と命をまもるためにできること、しなければならないことは、現行の制度のもとでもたくさんあります。すでにある仮放免制度を柔軟に活用することで、長期の被収容者の拘束を解くことはできます。さらに、仮放免されている人の在留を正規化することも、すでにある在留特別許可や難民認定制度を適切に運用することによって可能です。


 こうした現行制度のもとですぐにでも着手可能である、また必要でもあるもろもろの施策が、法改定・制度変更についての議論に多くの人の時間と関心がさかれるなかで、検討をあとまわしにされている。その点でも、政府の入管法改定案は廃案に追い込むこと、その制度変更のくわだてを早期に断念させることが必要であると考えます。



1: 以下の記事参照。
仮放免者の会(PRAJ): 入管にとって長期収容の目的はなにか?(2018年6月27日)

2021年2月11日

改悪入管法案について――あまくないアメ玉


【ふりがなを つける】(powered by ひらがなめがね)



  改定入管法案、近いうちに国会に提出されるようだ。

 入管庁がリークしたと思われる内容の報道が、昨日、産経新聞と日本テレビのサイトにあいついで出ている。



 政府が改定しようとしているところで重要なのは、つぎの5点である。


(1)難民申請中の送還を禁じる規定に例外を設けること(3回目以降の難民申請を送還できるようにすること)。
(2)送還を拒否する行為に刑罰を科すこと。
(3)仮放免中の逃亡に刑罰を科すこと。
(4)入管の認める支援団体や弁護士による監督を条件に収容を解く「監理措置」の創設。
(5)難民認定には至らないものの母国が紛争中で帰国できない人などに在留資格を認める「補完的保護対象者」の新設。


 (1)(2)(3)は、強制送還をいま以上に強引にすすめるための改定(改悪)であって、絶対に許容できない。ただ、今回は、これらの点には立ち入らない。

 では、(4)(5)はどうか? これらは、一見したところ、難民申請者や入管から退去の対象とされる外国人の人権状況を改善させるものにもみえる。(4)は、収容を解く制度をあらたにもうけるということだから、これによって長期収容が減ることが期待できるよう、思えなくもない。(5)も、母国で迫害されるおそれのあるひとが今よりもっと保護されるようになる制度のようにみえる。

 しかし、「監理措置」制度によって長期収容問題が改善することも、「補完的保護」によって難民申請者の庇護が拡大することも、ありえない。というのも、この法案を提出しようとしている政府がそれを意図していないからである。

 収容を解く制度として、すでに「仮放免」というものががある。また、難民認定にまではいたらないものの人道配慮として在留を認める措置として、法務大臣による在留特別許可というものが、すでにある。つまり、(4)や(5)は、現行の入管法のもとでも十分にできることをするために、わざわざ法改正して新しい制度を作りますと言っているにすぎないのである。政府は、長期収容問題を解決するというものとはべつの意図で(4)(5)を提案しているのはあきらかであるから、かりに(4)(5)が創設されたところでこれらを長期収容問題を解決するために活用することは考えられないのである。

 このあたりのことは、『人民新聞』に昨年11月に寄稿した以下の記事でも述べているので、引用しておきたい。


(ここから引用)

 政府がいまくわだてている入管法改定の大義名分は、収容長期化問題への対策である。政府あるいは入管当局がこれに本気で取り組もうとするならば、その有効な方法が何かは、実ははっきりしている。応急措置としては、収容が長期になった被収容者を仮放免許可によって出所させていくことだ。
 さらにより根本的な解決のためには、退令発付を受けて送還対象になっているけれども帰国できない深刻な事情のある人たちの在留を広範に認めていくことも、検討されるべきだ。すなわち、現在きわめて厳しく運用されている在留特別許可の基準緩和、そして難民認定の審査のあり方の正常化である。これらはいずれも現行法のもとでも可能である。
 ところが、政府は現行の仮放免制度を活用するかわりに、(4)の「監理措置」を新たにもうけることを企んでいる。また、難民やこれに準ずる人の庇護に活用しうる難民認定と在留特別許可の運用見直しを検討するかわりに、(5)の「補完的保護対象者」の新設も法案に盛りこもうとしている。
 これらは、新奇にみえる制度改変案を粉飾的に打ち出すことで、現行法の枠組みのなかでも可能な方策の検討を回避しようとするものにすぎない。
 しかし、こうして問題解決が先送りされる間にも、被収容者たちは日々命をけずられ、仮放免者たちも、コロナ禍のなかこの1日を生きのびられるかどうかという困難をしいられている。

(引用ここまで) 



 (4)の「監理措置」の創設、および(5)の「補完的保護対象者」の新設は、野党や入管行政に批判的な世論を懐柔するためのアメ玉のようなものと考えるほかない。アメ玉と言っても、やる気になれば現行法でもなんの支障もなくできることを法律かえてやりますと言っているだけのことだから、口に入れてもあまくはないアメ玉だ。それどころか、政府はそもそも長期収容の解消も難民保護の拡大も「やる気」がないからこそ、こういう人をなめきった提案をしてきていると言うべきである。

 したがって、(1)(2)(3)に反対する以上、(4)(5)についても検討・議論する余地はない。今回の入管法改定案については、妥協・修正の余地はいっさいない。廃案あるのみである。まずもって必要なのは、くりかえすが、法改定ではなく、在留特別許可の基準緩和、そして難民認定の審査のあり方の正常化だ。現行法のもとで可能なことに取り組むところから、はじめるべきなのである。