2021年5月11日

12日の強行採決阻止を! 入管法改悪法案


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 入管法改悪法案、先週7日の法務委員会では採決が見送られて審議が開かれましたが、与党はあす(12日)の委員会での強行採決をまたねらっているようです。


与党、入管法改正案12日採決の構え 野党、徹底審議を要求:時事ドットコム(2021年05月10日20時19分)


 7日の委員会にさいしては、わたしは自民・立憲民主両党の国対委員長に強行採決をしないで(応じないで)という内容のファックスを送ったのですが、今回は与野党5人の国会議員にやはり拙速な採決はしないようにとのファックスを送りました。


 与党議員に送ったのは、だいたいつぎのような内容です。

  • 名古屋入管での死亡事件の徹底検証、また退去強制・収容をめぐっての政府の従来の政策や現行の法制度のあり方の徹底的点検が不可欠
  • しかるに、死亡事件の解明すすまず、そのために必要な法務大臣・入管庁の情報提供はきわめて消極的
  • このような状況での法案の採決はあってはならない。


 野党議員、たとえば立憲民主党の議員には、以下の内容で送りました。

  • (上記と同様の観点から)名古屋入管での死亡事件についての真相解明、情報提供が議論と採決の前提だとの御党の姿勢を支持する
  • 法案の拙速な採決には応じず、廃案にむけ非妥協的に政府与党との論戦にのぞまれるようをお願いします


 どの議員に送ったらよいかについては、以下のサイトなどを参考にしました。


Open the Gate for All : あなたの入管法改悪に反対する声を 議員に送ろう


 入管の収容施設での死亡事件が頻発している事実からは、外国人に対する退去強制や入管施設での収容をめぐっての政府の従来の政策、また、現行の法制度のあり方を、徹底的に点検すべき必要性が示されているように思います。その意味で、名古屋での事件の検証・真相究明は、いま何よりも優先して取り組まれるべき課題です。


 しかも、法務大臣と入管庁は、スリランカ人被収容者が死亡する前の収容場居室の監視カメラ映像の遺族ならびに国会議員への開示を拒んでいるなど、真相究明に必要な情報提供にきわめて消極的です。


 それどころか、入管庁は、野党議員の調査を妨害してすらいる。


今日午後、法務委理事会メンバーで、名古屋入管スリランカ人女性死亡事件の関連資料を閲覧した(2回目)。またしても手書きによる書き写しを強いられ、2時間かけて血液検査結果や看護師メモを書き写した。手書きは許しがたいが、内容は質疑に活かしたい。

[藤野保史議員のツイッター(午後6:34 ・ 2021年5月10日)]


 手書きで写すのはよくて資料をコピーや写真にとるのはダメだという合理的な理由があるわけがないのであって、入管庁は調査妨害のためにこういうことをさせているのです。

 このような法務大臣と入管庁の姿勢のために、死亡事件についての解明が進まず、法案そのものの検討にも入れていない状況です。


 どう考えても、採決なんてすべき状況ではありません。


2021年5月8日

だれが上映を中止に追い込んだのか? 警察と右翼の共犯関係について


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 8日から神奈川県厚木市の「あつぎのえいがかんkiki」で上映される予定だった映画『狼をさがして』が、上映中止に追い込まれた。


【重要】『狼をさがして』上映中止のお知らせ | あつぎのえいがかんkiki


 劇場のウェブサイトに当初掲載されていた「『狼をさがして』上映中止の経緯」という文書(なぜか削除されていて現在は読めない)では、経緯がつぎのように説明されていた。



今回の上映中止の経緯についてご報告致します。

4/30に神奈川県厚木警察署より、右翼団体から道路使用許可の申請があり5/8と5/9の2日間、劇場のまわりで街宣車数十台で街宣活動を行う、とのご連絡がございました。

その後、配給会社太秦様にご相談させていただき、

  1. 騒音等で近隣住民や隣接している各店舗様にご迷惑をおかけすることは誠に心苦しい。
  2. 見物人が密となり、新型コロナウイルス感染拡大が懸念される。

両社とも、上記の件を危惧し、太秦様の了解のもと上映を中止させていただく運びとなりました。

 



 この「経緯」をみるかぎり、たんに右翼による妨害で上映が中止に追い込まれたということではないようにも思える。「厚木警察署が、右翼の威力をちらかせて上映中止をうながした」と言いきれるまでの根拠はないにしても、警察がここではたしている役割は無視できないのではないだろうか。両者の共犯関係と言うべきものがあるのではないか。


 厚木警察署と劇場のあいだで具体的にどのようなやりとりがあったのか、上記の文書で説明されている以上の事実は、わからない。ただ、かりに、警察が劇場側に「右翼が妨害にくるぞ」という事実だけをつたえ、それを傍観・容認する姿勢をみせたのだとすれば、それは警察が右翼を道具に使って劇場を恫喝しているのとかわらない。そこまであからさまではなかったとしても、違法な妨害があった場合に警察は断固としてとりしまるつもりだという意思を明確に示さなければ、劇場側としては上映のリスクを重く考えざるをえないであろう。


 この厚木の件ではどうだったのか、はっきりしたことはわからないにせよ、こうした場合に、警察は劇場側を恫喝することが可能な立場にあるということは、確認しておきたい。そして実際、警察がそうした行動をしてきた前例がたくさんあるのも事実だ。


 6,7年前、わたしが関東にいたころ、皇居のはしっこをかするようなコースでのデモを警察署に届け出に行ったことがあった。このとき、警察官(丸の内警察署でした)は、コースを変更するようにしつこく要求してきたのだが、その理由が「右翼がさわいでデモ参加者が危険にさらされるかもしれないから」というものだった。いや、こちらとしてはデモコースの詳細を事前に公表するつもりはないので、きみらがわざわざ教えないかぎり右翼がそれを知ることはないのですけどね。


 最終的に私たちは当初の予定していたコースでの届け出を押しとおしたのだけど、警察官が「右翼がね、来るかもしれないからね」などとしつこく言ってきて、やたらと時間がかかったのをおぼえている。


 警察はデモや表現行為をコントロールしようとするために、このように右翼の暴力をちらつかせるだけではない。右翼に実際に暴力をふるわせるということすらしてきた。


 2017年11月には、自衛隊立川基地での航空祭に抗議行動していた立川自衛隊監視テント村の車が右翼7~8名の襲撃を受け、フロントガラスやサイドミラーなどを破壊されるという事件があった。このとき、10名ほどの私服公安警官がおり、さらに立川警察署の制服警官も10名ほどかけつけたが、1時間にわたって右翼の暴力行為を制止しようもせず放置していたという。


立川テント村宣伝カーへの右翼の襲撃を許さない  抗議声明とカンパのお願い - ?? OUT!

https://twitter.com/orandger/status/933589711179808769


 この事件の1年前には、東京都武蔵野市でおこなわれた天皇制に反対するデモが、3~40人の右翼に襲われるという事件が起きている。デモ参加者に負傷者が出て、デモを先導する車のフロントガラス等が破壊されるなどの被害があった。襲撃は500人ほどの機動隊員が「警備」するなか堂々とおこなわれ、右翼の逮捕者はすくなくともこの日にはでていないのだという。


東京新聞 16年11月23日朝刊 - ?? OUT!


 これらの襲撃において、警察と右翼の共犯関係をはあきらかだ。実行犯は右翼だが、主犯は警察である。官(警察)が民間(右翼)に業務をアウトソーシングしたわけである。


 これらの例にかぎらず、右翼の暴力・テロ行為を警察がしばしば黙認してきたということは、よく知られていることがらでもある。とりわけ、ときに国家や世間とのあつれきを生じさせるような表現行為にかかわってきた者にとって、警察が右翼の乱暴狼藉をスルーし、そのことで暴力を代行させることすらしてきたことは、周知の事実である。そうした文脈において、右翼の街宣予定の情報を事前に劇場側につたえたという厚木警察署の行為を理解する必要があるのではないか。


 朝日新聞は、厚木の上映中止についてつぎのように報じている。


 [配給会社の]太秦と市によると、同館が入る建物には公共施設もあり、市や警察は上映を前提に警備を申し出た。しかし同館と太秦が協議し、他店舗への説明や映画館スタッフの負担を考慮して中止を決めたという。太秦の小林三四郎代表は「中止に追い込まれることに忸怩(じくじ)たる思いはある。ふんばれよ、と言える態勢がなかった」と話した。

[右翼団体の街宣予定受け ドキュメンタリー映画上映中止:朝日新聞デジタル(2021年5月6日 18時10分)] 


 警察は「上映を前提に警備を申し出た」というのだが、かりに警察官が口先ではそのようなことを言ったのだとしても、この組織が実際におこなってきた行動を知っていれば、そんな言葉を真に受けられるわけがないのではないか。


 上の新聞報道の見出しは「右翼団体の街宣予定受け ドキュメンタリー映画上映中止」となっている。はっきりと見えている現象としてはそのとおりなのだろうが、右翼だけを問題にしてすむこととは思えない。右翼の暴力行為を許容し、あるいはときに暴力行為の担い手としての右翼を飼いならし利用してきたのはだれなのか、問われるべきだと思う。



2021年5月4日

「入管法改悪案、強行採決しないで!」自民・立民の国対委員長にFAX送りました


【ふりがなを つける】(powered by ひらがなめがね)



  衆議院の法務委員会で審議されている入管法改定案ですが、連休明けにも与党側が強行採決をしかけてくる可能性があるようです。



5.7入管法改悪強行採決を絶対に阻止しよう!


4月28日の衆議院法務委員会の理事懇談会で、5月7日は質疑だけで採決はないと決まったが、自民党が5月7日の強行採決をもくろんでいる。自民党国対に抗議を! 立憲国対に激励を!

拡散歓迎!!

#入管法改悪反対

[指宿昭一氏のツイッター(午前6:41 ・ 2021年5月2日)]



 というわけで、自由民主党と立憲民主党それぞれの国会対策委員長に、強行採決しない(応じない)ようにとファクシミリを送りました。送り先は、以下のとおりです。


自由民主党 国会対策委員長 森山 裕

国会事務所 FAX: 03-3508-3714 E-mail: g08204@shugiin.go.jp


立憲民主党 国会対策委員長 安住淳

国会事務所 FAX: 03-3508-3503


 与党の自民党は、強引にでも法案を通したいところでしょう。野党のほうは、政府・与党と妥協せずに徹底的に戦うべきかどうか、世論の動向をみているというところだと思われます。なので、与党には「必要な審議から逃げるな」「強行採決はゆるさない」という声をとどけると同時に、野党に対しては「人権の課題については安易な妥協はしないでぶれずに戦おう」と激励(?)のメッセージをおくることが大事かなと思いました。


 まあ、「激励」というかなんというか。人の命や生存のかかった問題で与党に妥協するようなら、そんな野党はいらんわけです。


 私の送ったファクシミリの文面を以下に公開しておきます。私は、くどくどと長い文章を書きたい性分なのでこういうのを送ったわけですけれど、メッセージはひとことでも十分なのではないかとも思います。たとえば、与党には「強行採決反対!」、野党には「審議は不十分! 採決には応じないで」といったところでしょうか。注目してるぞというメッセージをひとりでも多くの人が示していくことが大事なのではないかと思います。



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入管法審議についてお願い


立憲民主党国会対策委員長 安住淳様


 日ごろより国政へのご尽力、ありがとうございます。


 わたくしは、大阪府在住の一市民です。


 衆議院法務委員会にて審議されております入管法改正案につきまして、拙速な採決に応じることなく、御党として引き続き反対をつらぬいていただきますよう、お願い申し上げます。


 ご存じのとおり、3月6日に名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が亡くなるという事件がありました。入管収容施設での死亡事件はあいついでおり、2017年以降に限っても6人もの方が収容中に命を落としております。このような痛ましい事件が今後二度と起こることのないよう、真相究明への取り組みが徹底される必要があると考えます。


 政府はこれまで送還を拒否する難民申請者らに対して、無期限長期収容を手段として、送還一本やりとも言うべき強硬な政策をとってきました。このことが、入管施設で死亡事件が頻発していることの背景にあるのではないでしょうか。いま必要なのは、名古屋での事件を徹底検証し、政府与党の進めてきた従来の政策の問題点や現行制度の不備を根本から点検しなおすことだと思います。


 そのために、御党が、政府法案の拙速な採決には応じることなく、これまで同様、非妥協的に政府与党との論戦にのぞまれるよう、お願いいたします。


 私も国会の外から一市民として、基本的人権が尊重され、人間の命とくらしが守られる社会をともに作っていけるよう連携できればと思います。


(私の名前と連絡先)


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入管法審議についてお願い


自由民主党国会対策委員長 森山 裕様

 日ごろより国政へのご尽力、ありがとうございます。

 わたくしは、大阪府在住の一市民です。衆議院法務委員会にて審議されております入管法改正案につきまして、拙速な採決をするのではなく、委員会で十分に時間をとって熟議をおこなうようお願いいたします。

 ご存じのとおり、3月6日に名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が亡くなるという事件がありました。入管収容施設での死亡事件はあいついでおり、2017年以降に限っても6人もの方が収容中に命を落としております。このような痛ましい事件が今後二度と起こることのないよう、真相究明への取り組みがなされる必要があります。

 入管の収容施設での死亡事件が事実として頻発していることからは、外国人に対する退去強制や入管施設での収容をめぐっての政府の従来の政策、また、現行の法制度のあり方が、徹底的に点検される必要性が示されているように思います。その意味で、名古屋での事件の検証・真相究明は、いま何よりも優先して取り組まれるべき課題です。

 拙速な採決によって審議を打ち切るのではなく、委員会の場で熟議を重ねてください。尊い人命が国の施設でうしなわれたという重い事実に真摯に向き合い、こうした事件がふたたび起こらないための議論を与野党あげておこなうよう望みます。

(私の名前と連絡先)