留学目的で入国し在留期間切れたまま滞在…別事件の関連で身分証提示で発覚、入管難民法違反の疑いで28歳スリランカ人の男を逮捕|HBC北海道放送(2025年02月13日(木) 19時29分 更新)
警察には警察のおもわくがあってこの件をマスコミにリークしたのだろう。しかし、それを報道するかどうか、あるいはどう報道するのかということは、マスコミが判断することだ。北海道放送はどこにわざわざ報道すべき意義をみいだして、これを報じたのだろうか。
記事を読んだところで、なにがどう問題なのか、私にはさっぱりわからない。問題にならないことを、あたかも問題であるかのように報じることで、偏見をばらまこうとする。そういう記事にしか、私にはみえない。
記事を抜粋してみよう。なんでこんなものがニュースになるのか。こんなものがクソまじめなトーンでテレビで報じられているということが、つめたく狂った社会のありさまを示しているように思える。
警察によりますと、13日、警察が別の事件に関連して男に身分証明書の提示を求めたところ、在留期間が切れていたことが発覚し、男をその場で逮捕しました。
男は2018年4月に留学目的で、1年3か月の在留資格を得て日本に入国し、在留期間の2019年7月以降の足取りはわかっていませんが、去年7月17日までは「特定活動」の在留資格があったということです。
取り調べに対し、スリランカ人の28歳の無職の男は、容疑を認めているということです。
警察は、在留期間が切れた後の男の生活実態などを調べています。
「在留期間の2019年7月以降の足取りはわかっていませんが」などと書いているが、警察であれ、これを報じている放送局であれ、そんなのおまえの知ったことかという話である。その間、どこで何をしていたかなんて、この逮捕されたかたの勝手なのであって。
「特定活動」の在留資格が去年の7月まであったということは、このかたは入管局をおとずれて当初の「留学」から「特定活動」への在留資格変更申請をし、入管局もこれを許可したということだ。ところが、記事は、入管的な言い方をすれば「適法に在留していた」この期間についてすら、「足取りはわかっていませんが」などと書いている。外国人はその「足取り」をつかんでおかないとどんな悪いことをしているかわかったものではない、だから徹底的な監視・管理が必要なのだ、という前提がないと、こういう書き方にはならない。
もちろん、このニュース原稿を書いた人は、警察が発表した内容を書き写しただけなのだろう。でも、そうして書き写した文章は、書き写した本人の自覚はなくても、「日本国民」ではない住民に対してこの国の治安当局がむけている視線をおぞましいほど正確に反映したものになっている。
ニュースによると、逮捕された人は、2018年4月から6年あまりのあいだ続いていた在留資格が2024年7月に切れ、その後、7か月間ほどオーバーステイになっていたということのようだ。そりゃ入管法違反ということにはなるかもだけれど、オーバーステイなんてそれ自体はなにか悪さしたということではない。自動車の無免許運転とかだったら他人の生命を危険にさらすといえることもあるだろうけど、在留する、つまり「ここにいる」ということに国家機関の「許可」をえてなかったからといってなんだと言うのか。
「警察は、在留期間が切れた後の男の生活実態などを調べています」なんて書かれちゃって、あんまりではないか。クソポリはそりゃ「調べ」るでしょうよ、入管体制・外国人管理制度というのはそういうクソなのであるから。でも、報道にたずさわる人は、「在留期間が切れた後の男」などと呼ばれる人間であれば、「生活実態」を調べられるのも当然なのだというような前提にたった、おぞましい文章を書かないでくれ。監視してないとなにか悪さをするだろう、悪さをするはずだという視線を「外国人」にあからさまにむけた文章を書いてることを自覚して、深く恥じ入ってくれ。相手もあんたと同じ人間だぞ。
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