あす(8日)参議院法務委員会での強行採決のおそれあり、ということで、「入管法改悪反対 緊急 大阪大街宣」に行ってきました。
法案が参議院に送られて以降、法案の前提が大きくずれる情報が、連日つぎからつぎへとあきらかになっています。難民審査参与員の制度が破綻しており、入管職員による一次審査をたんに追認するだけのものになっていること。大阪入管で発覚した常勤医師が酒に酔った状態で被収容者を診察していた問題を、法務大臣と入管庁が隠して国会審議にのぞんでいたこと。これらが野党議員たち(維新と国民民主は除く)の追及をとおして、国会で暴露されてきたのです。
ところが、与党らは6日(火)の強行採決をくわだて、これは立憲民主党が法務大臣問責決議案を提出して阻止。しかし、7日の参院本会議で問責決議案は否決され、暴露されたもろもろの問題は審議されないまま与党らによってフタをされ、翌8日の強行採決があやぶまれている。
そういう状況で、なんとか強行採決をふたたび阻止しなければという思いで、アクションには参加しました。
ありがたいことに、3分ほどスピーチする時間をいただきました。街宣車の上に乗ってマイクでしゃべらせてもらったのですが、参加者みんなの熱気がすごかった。なんとか強行採決を阻止して廃案に追い込みたいという強い思いが共有できたと思います。
今回は3分というタイトな時間制限があったので、まえもって原稿をつくっていきました。こんなことをしゃべりました、というのを、せっかくなので最後に載せておきます。
ちなみに、参加者は300名との主催者発表です。この間、一連の大阪での入管法改悪反対の行動では、5月20日の扇町公園→梅田OSデモが500名でしたが、街宣としては今回が最大規模ではなかったかと思います。
▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲
こんにちは。永井と申します。入管施設に収容された人や仮放免者を支援する活動を十何年かしております。
最近、入管法の国会審議のなかで、入管法改悪法案の前提となる事実がウソだったり隠蔽されていたりということが、野党の追及などによってつぎつぎと明らかになっています。くわしい話はみなさんされると思うので、私からはここでは話しません。
ただ、最初の最初から、この入管法改悪の動きはデタラメだったということを、いまここで振り返ってみたいと思います。
最初に、法務省・入管が法律を変えなければいけないと言い出したのは、長期収容問題を解決しなければならないということでした。で、長期収容問題が起きるのは、「送還忌避者」――そう入管は呼んでるんですが――送還をこばんでいる人のせいだというのが入管の理屈でした。そして、「送還忌避者」は、難民の制度を悪用・濫用してくり返し難民申請するのがけしからん、だからくり返しの難民申請者は強制送還してもよいことにしよう、と。これが入管の主張です。
でも、これ全部デタラメです。まず長期収容問題はなぜ起きるのか? 入管のせいでしょう? 入管が長期収容するから長期収容問題が起きるんです。入管が長期収容しなければ、長期収容問題は起きません。
そして、「送還忌避者」と入管が呼ぶ人は、どうして生じるんですか? ひとつには、難民を認めないからでしょう。もうひとつには、在留特別許可の制度をちゃんと運用しないで、退去強制処分をドカドカと出しまくるからでしょう。
長期収容の問題も、いわゆる「送還忌避者」なるものも、入管が作り出しているのです。しかし、入管はいつもそうなんですが、あべこべに送還忌避者のせいだ、外国人がわるいと、責任を転嫁します。自分たちのことはタナにあげて、なんでもかんでも人のせい、外国人のせい、これが入管のいつもの主張です。それで、難民認定制度をいま以上に骨抜きにしたり、「送還忌避者」に刑罰を科したりしよう、というのが今回の入管法改悪案の内容ですよね。
でも、本当に変わらなければならないのは、入管のやり方です。それを変えさせるための力が私たちにあるということが、この場所に集まっているみなさんの熱気、全国でおこなわれている入管法改悪反対のアクションの熱気から感じ取ることができると思います。
この改悪入管法案をみんなの力でつぶしましょう。そして、入管が「送還忌避者」などと呼んでいる存在は、私たちにとっては隣人です。ともにこの日本社会を作っている隣人です。現状は、難民認定も、退去強制手続きも、入管が自分たちだけの都合で好き勝手に運用し、牛耳っています。しかし、私たちの隣人たちのことをおまえら入管だけで勝手に決めるんじゃない、難民審査は国際基準にきちんとのっとれ、われわれの隣人を勝手に排除するな、送還するなとともに声をあげていきましょう。世紀の悪法をつぶしたうえで、この熱気をたもち、ともに生きる社会をいっしょに作っていきましょう。
以上です。
0 件のコメント:
コメントを投稿