前回記事の末尾に案内したデモに参加してきた。
いつものことながら、「警備」と称してやって来る警官たちがうざかった。
まず、中之島公園での出発のとき。警官が時計をみて、「出発時間になりました。出発してください」と言って、ピーっと笛をならす。
どさくさにまぎれて、なんでおまえが指示してんの? 「ピーっ」じゃねえよ。
デモが始まると、最後尾につけた警察車両が拡声器から通行人に語りかける。「ただいまデモ行進がおこなわれています。青信号ですが、デモ隊が通過するまでお待ちください」。
制服の警官たちは、横断歩道のまえで足止めされた歩行者たちに頭をさげて、「ご協力ありがとうございます。デモが通るまでお待ちください」などと声をかけてまわってもいる。
いやはや、めちゃくちゃなことを言っている。交差点で信号が赤に変わったあともデモ行進を渡らせ、そのために一般の歩行者や車は信号が青になっているのに足止めされるという状況は、警察が自分たちの「警備」の都合で作り出しているものにすぎない。
デモをやってるわれわれからしたら、赤信号のたびに立ち止まって信号がかわるのを待つということでも、かまわないわけ。その間、一般の歩行者が道路を横断したり、車両が通ったりするのにむかってアピールすればよいのだから。
というか、デモは自由な表現なので、それぞれの参加者が歩きたいときに歩き、立ち止まりたければ立ち止まる、というのが本来のあり方である。しかし、警察は、デモをなるべく短時間で終わらせたい(街頭にデモを滞留させたくない)といった勝手なおもわくから、信号が赤にかわったあともデモ隊を通行させたり、場合によってはデモ隊が交差点を渡りきるまで信号機を操作して青のままにしたりする。その結果、一般の歩行者や車が足止めをくらったりするのだが、それはくり返すけど警察の「警備」とやらの都合でそうなっているのである。急いでるのに横断できないのは、デモではなく、警察のせいなのだ。
ところが、警察は一般の歩行者や車にむかって「デモ隊が通るのでご協力をおねがいします」などと頭を下げてまわるパフォーマンスをして、まるであたかもデモが一般の通行人のジャマをし迷惑をかけているかのような印象づけをしているのである。
急いでつけくわえておくと、デモが「一般」の通行人に迷惑をかけるのがわるいなどと言うつもりはない。デモは自由な表現なので、私たち(あなたたち)は「一般」の通行人や「普通」の人に迷惑になる表現をとりたい、あるいはとるべきだと考えれば、迷惑な表現をとるだろうし、とればよい。しかし、それはデモをおこなうわれわれ(あなた)が選択することであって、警察が決めることではない。なのに警察は勝手に通行人に迷惑が大きい「警備」のやり方を勝手に選択したうえで、「みなさんに迷惑をかけてるのはデモのせいですよ」などとほざいてまわってるのだ。ふざけんな、という話である。
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入管問題関係でおなじ主催のデモは継続的に参加しているのだが、今回の大阪府警の「警備」はちょっと特異だと感じた。
いままでのデモでも、警察はデモの最後尾につけた車両から「デモ行進が通ります。ご協力お願いします」などと一般の通行人に呼びかけるアナウンスをしていた。それをわりと大きな音量でやられて、デモのコールやスピーチ聞こえなくなるということがたびたびあった。露骨なデモ妨害なので、そのたびに私は仲間といっしょにその場で警官たちに抗議するということをしてきた。
今日のデモでは、それほど大きな音量でのアナウンスはなかったので、内心むかつきながら静観してしまったのだけど、やっぱりこうして今むかつきながらブログなど書くはめになっているので、ちゃんとその場で抗議しておくべきだった。後悔している。
今回の警察の車両からのアナウンスは、音量こそおさえぎみだったにせよ、歩きながら「警備」にあたる警官たちは、足止めされた通行人への声がけをひんぱんにおこなっているように感じた。「一般の」通行人にとってデモ参加者が迷惑になっているという状況をつくって、両者を分離・隔離しようということを組織としていままで以上に自覚的・戦略的にやってきているのかもしれない。
そういえば、デモがおわったあとに、記者のひとから「今日はいつもよりも警察の当たりが厳しかったですね」と声をかけられた。そのひとはデモ開始前に警官から「プレスのかたですか?」とたずねられ、そうだと答えると、「プレスはデモの参加者ではないので、赤信号でデモ隊を通すときも信号を守って止まってください」と言われたそうだ。
なんとふざけた言い分であることか。なんで「デモの参加者」かどうかを、おまえら警官が決められると思っているのか。記者が取材しながらデモに参加するということだってあるし、あるいは記者になったり参加者になったりとスイッチをきりかえながら歩くことだってあるだろう。
でも、警察がどういう考えで「警備」とやらをやってるのかがよくわかる発言ではある。デモ参加者はあくまでもデモ参加者。「一般の」通行人はあくまでも「一般の」人。通行人がデモに合流して参加することや、デモ参加者がデモから出たり入ったりすることを規制しなければならない、規制したい。それが警察の考えていることだ。
次回からはデモの自由へのこうした妨害にたいしては、ちゃんと抗議していきたいと思いました。反省。