「悪政追放 7.19最近気になることデモ」ということで。
![]() |
黄色の地に黒字で 「悪政追放 7・19最近気になることデモ」 と書かれた横断幕と 黒地に白抜きで「NO EXPO ANYWHERE」 と書かれた横断幕。 |
いいタイミングでこういうのを企画・主催してくれた人たちがいたので、便乗して声をあげてきました。
このデモを呼びかけていた人のひとりは、こう書いてました。「選挙期間、果たして選挙だけやってていいのか!?」
おお! まさにそこをこそ問うべきだよな、選挙期間こそ。そう思って、ぷらっと出かけたのでした。
中之島公園を午後6時に出発して、なんばまで2時間ほど20人くらいで歩きました。日が暮れていく時間帯とはいえ、熱かった。そして長かった。
![]() |
この日、私がかかげたプラカード。 「日本政府&自・公・維・参など の排外主義に反対 さべつに はんたい」 と手書きで書いてある。 |
「最近気になることデモ」という名のとおり、スピーチやコールをしたい人にマイクをまわしながら、それぞれこの選挙期間中に考えたこと思ったことを話していくというスタイル。
非常に印象深かったのは、マイクをもったどの人の言葉も(ひとりの例外もなく!)、今回の選挙について語りながらも、この選挙で語られることのないテーマ、いうならばこの選挙が抑圧しているテーマへとその語りをはみ出させていたことです。民主主義というのは、こういういとなみのことなのであって、それは制度化された選挙などというものにおさまるような小さいものではないのではないか。
そんなことを感じながら歩いていたら、「コールしませんか?」とマイクをまわしてもらったので、その感じたことをコールで表現してみようと思いました。
ひとつは、今回の選挙では、参政党という極右政党が大きな支持を集めており、そのことにリベラルや左派が危機感をいだくのは当然のことなのだけれども、その結果、争点が大きく右にずらされてるんじゃないか、という違和感。参政党を極右と言うと、自民党なんかは穏健右派ぐらいかなとうっかり思ってしまいかねないけど、そもそもあいつらも極右じゃん。自民党も維新も国民民主党もゼノフォビア(外国人嫌悪)をあおって有権者の人気をえようとしてきたし、2023年と24年の入管法改悪はそいつらと公明党が賛成して成立したよね。立憲民主党だって、人気取りに外国人差別をあおってる極右議員いるよ(例→「不法滞在天国になってしまう」だって…… 立民・藤岡議員の妄言)。これらぜんぶまとめて否定しなきゃ。おまえらぜんぶ退場じゃ。
というわけで、参政党とあわせて自民・公明・維新・国民民主をディスるコールをしました。
もうひとつは、今回の参政党現象にとどまらない、選挙というイベントがどうしてもはらんでしまう問題。各政党、各候補者は戦略的に争点をしぼろうとする。でも、すくなくとも社会の公正・公平にかかわるイシューについて、「どれかをとりあげ、どれかは後回しにする」なんてことは本来あってはならない。それは自己矛盾でしょ。「争点をしぼる」ということは、公正・公平を断念するということだから。
だから、私たちうぞうむぞうは、小さく切りつめられた「争点」をおしひろげ、捨てられた「争点」を拾いあげる表現をしていかなければならない。それは候補者や政党じゃなくて、私たちうぞうむぞうの人民ができること。デモはそのための場のひとつ。「選挙期間、果たして選挙だけやってていいのか!?」というこのデモの呼びかけ人のつきつけた問いを、私はそんなふうに受け取りました。
そういうわけで、私は「差別に反対」「差別をやめろ」とコールしながら、そこに差別にかかわるテーマを列挙してはさみこむようなコールをしてみました。
「差別に反対」
「入管解体」
「差別に反対」
「沖縄に基地を押しつけるな」
「差別をやめろ」
「天皇制反対」
「差別をやめろ」
「戸籍制度を廃止しろ」
「差別をやめろ」
「トランス差別やめろ」
……
という感じ。
「もっとあれも言えばよかった」というテーマがいくつもあるのですが、ほかの参加者もみんな選挙戦ではあまり語られないけれどそれぞれ関心のあるテーマについてコールしたりスピーチしたりしていて、それを聞けたのはよかったなと思います。そうやってさまざまなイシューについて語っていくことは、たんにそれらを「列挙」しているだけでなく、それらの個別にみえるテーマがおたがいにつながり関連しあっていることを考えていく、そういう経験でもあります。
コールしたあとには、ちょっぴりスピーチもしました。(少なくとも現行の)選挙制度は制限選挙でしかないこと、選挙制度自体が差別的なのだから選挙だけで差別の問題がよくなることはないこと、むしろ差別的な制度をそのままに選挙だけ投票だけやってたら差別は大きくなっていくこと、だからこうやって選挙の外でも差別をなくそうと声をあげていくことが大事だと思う、というようなことを話しました。
まあなんというか、外国人住民を選挙権・被選挙権から完全に排除した現行選挙制度で、ろくでなしどもが外国人排斥をきそいあっている状況がふざけるなとまずは言いたいけれど。しかしだからといって制度の差別性を問うことなしに「ヘイトを受けている外国人は投票できないから、そのぶん私たちが責任もって一票を投じなければなりません」みたいなことを語るのもギマンがはなはだしい。
有権者だって一票しか持ってないのだから、他人のぶんもかわりに投票することなんてできないし、そもそも権利をうばわれた人が自分で投票できないことの問題(不正義)は有権者の投票行動によってはなんら解消しない。
ちゃんと言うべきなのだ。この選挙制度はクソだ、と。自分が投票するかしないかを有権者は選択できる(そして、その選択をせまられる)けれど、どちらを選択するにせよこの選挙そのものは公正じゃない。そこをまずはちゃんと認めないと、不公正なものを正していくことはできない。民主主義への道のりは遠い。でも、歩きはじめることはできる。
0 件のコメント:
コメントを投稿