11月23日、「いま、ここにいるわたしを排除するな」というデモに参加してきた。

差別や排外主義に反対するというテーマがあるものの、参加者それぞれが自分の関心のある問題について自由にアピールしていくというデモだった。
スピーチやコールは、やりたい人にマイクをまわして基本的に好きなようにやってもらうというスタイル。外国籍の人に対する排斥や入管の問題についてアピールする人もいれば、高市首相の中国への挑発を批判し戦争反対をうったえる人、韓米日の合同軍事演習反対、イスラエルのパレスチナ人虐殺やめろとか、大阪万博の未払い問題について維新や吉村大阪府知事への批判、カジノいらない、自民党も維新も参政党もいらない、などなど。
街頭でめいめいが自分の関心におうじてアピールするのは、いいですね。
ただ、中之島公園からなんばまで、御堂筋(みどうすじ)を歩く2時間をこえるコース。まあ、つかれました。
沿道の人たちの反応は、かなり好意的だった。右翼のアホがなんにんかアホなことをわめきたててきたものの、それ以上に差別反対やパレスチナ連帯のメッセージに笑顔や手をふったりと賛意を示してくれた人がたくさんいた。そのなかには、外国にルーツがあるのかなと見えるかたも多かった。日本社会での排外主義の高まりに強い危機感と批判的な意識をもっている人というのは、それなりにいるのだろうということが感じられた。
デモの前の集会では、入管関係でなんか話しますかと声をかけていただき、ちょこっとアピールをしてきた。入管をめぐる現状の報告と批判をすべきかなとも思ったのだけど、こんにちのように排外主義的な世論が大きくもりあがってしまっている状況でこそ、理念的なことを語っていく必要があるんじゃないかと考えた。それで、なぜ排外主義に私は反対するのか、どんな社会をめざそうとするのか、というところにつながっていくような話を、3分か4分ぐらいのわくで話してみたのが、以下です(自分がしゃべったのをスマホで録音しておいて、文字起こししました)。
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こんにちは。ナガイと申します。
入管問題やってるんですけど、15年くらい、細々と入管に収容されている人の面会活動だったりとか、仮放免者と言われる人、今日ちょっと説明はぶきますけど、その支援をやってきました。
そのなかで私たちが主張してきたこととして、「仮放免者に在留資格を」ということを言ってきたんです。仮放免の人たち、外国籍で在留資格のまだ認められていない人たちというのは、たとえば日本に長期間くらしてる人、古い人だとバブル期1980年代の後半から日本にいて暮らしている。そういう人たちであったりとか、あるいは難民申請している人ですね、帰国したら危険がある、迫害されると。だから、保護してくださいという申請をしている人。そういう人たちの在留資格が認められてないんで、その在留資格を求める運動というのをやってきました。
「仮放免者に在留資格を」というスローガンを私たち言ってきたんですけど、これは一方では言っていかなければならないスローガンだと思ってるんです。ただ、これだけで十分に排外主義とたたかえるかというと、十分じゃないんじゃないかということを、今日はお話したいと思います。
たとえば、「仮放免者に在留資格を」と言うんですけど、「ここにいていいですよ」という資格というのを決めるのはだれでしょうか?
入管という役所は「それは国の機関であるわれわれだ」と言ってるんです。「外国人は在留資格がないと日本にいてはいけない」というのは入管の主張。法律にも書いてあることですけども。で、その在留資格を決めるのはわれわれだと、法にもとづいて入管という組織が「おまえはここにいていい」「おまえはここにいてはいけない、だから強制送還するよ」と。そういうことをわれわれが決めていいんだということを言ってるのが入管という役所なんです。
いまの排外主義に対して、「在留資格を認めてください」というだけでたたかえるかというと、私はちょっと足りないかなと思っています。なぜかというと、外国人を排斥する主張をしている人がどういう言い方をしているかというと、「おまえは外国人だから、日本が気に入らないんだったら自分の国に帰れ」と言うんですよ。これ、どういういい方かというと、私からすれば、これ入管のくちまねなんですよ。
入管は、これ本当に、なにさまだと思ってわたし腹立つんだけど、「外国人がいていいかどうか、ここにくらしていいかどうかは、われわれが決める」と言っているわけ。なんの権利があってそんなこと言えるの?
すでに外国籍の人たちここに暮らしています、現にね。それをわれわれといっしょにこの社会をつくってきたわけです、長いこと。そういう人を、なんか日本人だから、日本国籍を自分は持っているからということで、自分が決めていいんだと。「お前たちがここにいていいよ」と言うのも傲慢ですよ、はっきり言って。
「外国人もいてもいいんじゃないか」ではなくて、[私たちやあなたたちが]そんなのを決めていいのかどうかということを、やっぱり問わなきゃいけない。日本人だから日本国籍だからそんな特権があるのか、と。特権、認めていいのか、と。
そういうところでの排外主義とのたたかいが必要だと思うんで、やはりここにかかげられてあるように、「いまここにいる私を排除するな」ということは、ほんとに大事なスローガンだと思います。いっしょに今日たたかいましょう。
以上です。